2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17392
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
長尾 匡則 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30621239)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 東洋医学 / 食養 / 食品分類 / 栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
中医学における食事の影響を評価するにあたり、食材をそれらがもつ中医学的な性質である性味(五性、五味、帰経)に基づいて整理する必要がある。当該年度において、現代の我が国で一般的に食されている食材の五性、五味、帰経に関する先行文献の調査を行い、それらに基づき五性、五味、帰経の観点からデータベースにまとめた。データベースへの食品の登録件数は388件で、食品群別には穀類が23件、いも・でん粉類が6件、砂糖・甘味類が7件、豆類が14件、種実類が22件、きのこ類が10件、野菜類が89件、果実類が44件、魚介類が75件、藻類が6件、肉類が43件、卵類が9件、乳類が5件、油脂類が7件、し好飲料類が12件、調味料・香辛料類が16件であった。これらを性味の観点から分類すると、五性の「熱」の性質を持つとされたものはのべ5件であり、同様に「温」は120件、「平」は161件、「涼」は65件、「寒」は55件であった。五味のうち「酸」の性質を持つとされたものはのべ52件であり、同様に「苦」は49件、「甘」は344件、「辛」は58件、「鹹(カン:塩辛さを表す)」は60件、「渋」は14件であった。帰経について「肝」の経に入るとされたものはのべ158件、同様に「心」は65件、「肺」は141件、「脾」は262件、「腎」は154件、「胃」は209件、「大腸」は70件、「小腸」は12件、「膀胱」は17件であった。データベースに収載した388件の食品のうち、日本では一般的に食されていない93件を除く295件について今後検討を進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度における研究計画は中医学・西洋医学の視点による食品分類を行うことであり、計画通り達成されている。また2年目の研究計画は食事調査の質問紙作成および再現性・妥当性検証であり、現在その準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は作成したデータベースに基づいて日本人の食事としての五性、五味、帰経への寄与が大きい食材を同定し、既存の食物摂取頻度調査票と統合し、新たな食物摂取頻度調査票を作成する。その上でこの食物摂取頻度調査票と秤量法による食事調査を3日間×4季節について実施し、その内容について栄養学の観点から食品群、栄養素摂取量を評価するとともに五性、五味、帰経についても評価を行い、食物摂取頻度調査票による調査結果との相関を検討し、質問紙調査の妥当性を評価する。
|
Causes of Carryover |
食事調査の準備としてその実施に必要な解析装置等物品の購入を予定していたが、内容の更なる検討のため、次年度以降に購入することになった。また当該年度に実施した食品データベース構築を研究者自身が行ったため、そのために予定していた人件費を次年度以降の食事調査関連の人件費に充てることとした。
|