2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17392
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
長尾 匡則 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30621239)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 東洋医学 / 食養 / 食品分類 / 栄養 / 中医学 / 食事調査法 / 妥当性研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においてはこれまで既存のFFQにおける性味の評価の可能性について検討を行った。FFQによる性味評価の妥当性を検証する方法として、大規模コホート研究における曝露要因としての性味スコアと疾病アウトカムとの関連を、疫学的に評価する手法を想定している。これまで、収集した食品の性味に関する情報を日本食品成分表に収載されている食品項目に対応するようデータベースの構築を行っており、また性味スコアと疾病アウトカムとの関連を検証することまで視野に入れて研究を進めている。 これまでの研究により、五訂日本食品標準成分表収載食品のうち性味の情報を紐づけることができた食品は1882品目中981品目(52.1%)であった。本年度は性味の判明している食品について原植物等にさかのぼり、食品成分表収載食品との関連を精査して紐づけられる食品を拡充した。一方で食品標準成分表収載食品の中には常用されていない食品も含まれていることから、既存コホートにおいて収集された秤量法による食事調査データのうち、使用された食品およびその出現回数を用いて、当該調査対象者の食事において性味を明らかにできた食品の割合の算出を行った。その結果、食事調査で出現した食品延べ数の80.8%について性味を紐づけられることが明らかとなった。このことより、我が国における一般的な食事について、性味を評価するということ自体は概ね許容できるものと考えられる。しかし、同時に我が国の食文化において重要な要素である“だし”(塩分ではない)については性味を明らかにできないことが、少なからず影響を与える可能性があることが示唆される結果であった。これはFFQによる性味評価の妥当性・有用性検証の際にバイアスとなる可能性があるものの、だしの使用量による層別解析を行うことで、ある程度回避できると見込まれる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
既存のコホート研究における食事調査データを活用する計画であるが、それに加えて妥当性評価の一環として疾病アウトカムとの関連を大規模コホートのデータを用いて検証することを視野に入れることとなり、それに準じた追加の調整が必要となった。当初の想定では2021年度中に研究を終了する目論見であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大とその対策および前述の調整に時間を要し、研究期間を延長するに至った。
|
Strategy for Future Research Activity |
既存のコホート研究における食事調査データの二次利用および疾病アウトカムとの関連解析についての調整を加速させる。当該データの利用について承認が得られ次第、関連機関での倫理審査委員会に研究計画を諮る。当該データと性味データベースより、当該コホート研究において作成された食事摂取頻度調査票による性味評価の妥当性を検証することを目指す。
|
Causes of Carryover |
当該年度で実施する予定あった既存データを用いた解析について、データ利用の調整が想定より遅滞していることから次年度に使用時期を変更する必要が生じた。
|