2018 Fiscal Year Research-status Report
フレイルとサルコペニアが新規要介護発生や予後に及ぼす影響の類似点と相違点の検証
Project/Area Number |
18K17393
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
石井 秀明 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (50751046)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介護保険 / サルコペニア / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
要介護又は要支援を受けた高齢者は増加しており、それに伴い、介護費用も増大している。これらを背景に、要介護又は要支援の認定を受ける高齢者を減らしていくために、フレイルやサルコペニアという概念が提唱されている。この2つの概念は判定要素に同じ項目が含まれるため、類似する点もあるが、それぞれ異なる特徴があると考えられ、今後フレイルとサルコペニアに対する知見を構築していくことが、介護予防や介護費用抑制において重要である。本研究は、地域在住高齢者を対象とした大規模調査によるデータベースであるNCGG-SGSから、フレイルを有する高齢者、サルコペニアを有する高齢者、フレイルとサルコペニアを合併している高齢者(合併高齢者)、この3つのグループに該当しない高齢者(健常高齢者)に群分けし、要介護情報をもとに新規要介護発生や予後(死亡率、介護費用など)について追跡調査を実施する。要介護情報の追跡調査により、フレイルとサルコペニアの類似点と相違点を明らかにすることを目的とする。 2018年度は、行政から介護情報を受け取れるように準備を進め、順次、介護情報を取得した。この要介護情報と追跡調査で使用する大規模調査によるデータベースであるNCGG-SGSを分析できるように、研究協力者等と打ち合わせをし、データシステムの構築を行った。また、大規模調査によるデータベースの中から、2011年度の高齢者機能検診に参加し(5104名)、データの欠損等で除外して解析可能であった高齢者を、フレイルを有する高齢者、サルコペニアを有する高齢者、合併高齢者、健常高齢者に群分けを実施し、それぞれの群の追跡調査の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の進捗としては、予定していた対象者の群分けおよび要介護情報の分析のためのデータシステムの構築が実施できているため、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方法としては、引き続き行政から要介護情報を受け取れるように手続きを行い、データシステムを使用し、解析可能なデータとしていく予定である。また、要介護情報と大規模調査によるデータベースであるNCGG-SGSを拡充し、本研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
購入を希望していた物品の在庫がない状況であったため、次年度での購入となった。そのため、一部の使用額を次年度に持ち越し、次年度使用額が生じたが、計画の進行に支障のない状況である。
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