2019 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of frailty and sarcopenia on the incident of disability and prognosis.
Project/Area Number |
18K17393
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
石井 秀明 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (50751046)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フレイル / サルコペニア / 予後 / 新規要介護発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域在住高齢者を対象とした大規模調査によるデータベースであるNCGG-SGSを用いて、要介護情報をもとに新規要介護発生や予後について追跡調査し、フレイルとサルコペニアの類似点と相違点を明らかにすることを目的とする。 2019年度は、行政から取得した介護情報等を解析可能なデータにし、NCGG-SGSと結合して解析を行った。フレイルは、体重減少、疲労感、筋力低下、歩行速度の低下、身体活動の低下の5項目のうち、3項目以上該当した場合とした。また、サルコペニアは、筋力の低下と筋量低下に該当した場合とした。縦断調査では、新規要介護発生、介護給付費、死亡を検討した。解析は対象者をサルコペニアの有無、フレイルの有無に群分けした場合(調査1)、サルコペニア群、フレイル群、サルコペニアとフレイルを重複している群(重複群)、どれにも該当しない群(ロバスト群)に群分けした場合(調査2)に分けて実施した。調査1より、サルコペニアとフレイルは、新規要介護発生、介護給付費、死亡に影響することが確認された。また、調査2より、重複群は最も新規要介護発生や死亡のリスクが高く、介護給付費が高いことが示唆された。また、フレイル群は、サルコペニア群よりも新規要介護発生のリスクが高く、介護給付費も多く要する可能性が示された。以上のことより、フレイルはサルコペニアより新規要介護発生や介護給付費に対する影響が大きいが、両方を有する高齢者はそれぞれ単独で有する高齢者よりも新規要介護発生や死亡のリスク、介護給付費が高いため、併用してスクリーニングしていく必要があると考えられる。
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