2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of maternity harassment on retirement and maternal and child health: Focusing on differences in employment status.
Project/Area Number |
18K17398
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
可知 悠子 北里大学, 医学部, 講師 (10579337)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 就労妊婦 / マタニティ・ハラスメント / 周産期うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は妊娠中のマタニティ・ハラスメントの経験と妊娠中ならびに産後の母子の健康との関連を検討することを目的とした。初年度にマタニティ・ハラスメントの実態を把握すべく、支援団体にヒアリングを行った。次年度にその内容に基づき調査項目を構成し、倫理審査で調査の実施を承認いただいた。 最終年度は、2020年5月にインターネットによるベースライン調査を実施し、その後出産後1か月の時点で郵送による追跡調査を実施した。全ての対象者の追跡調査が終了したのは2021年3月末であった。結果として、401名の就労妊婦からベースライン調査への回答が得られ、そのうち319名から追跡調査への回答が得られた(追跡率79%)。非常に高い追跡率で調査を終えることができた。 ベースライン調査のデータについては、マタニティ・ハラスメントの経験と妊娠中のうつとの関連について分析を行い、Journal of Occupational Health誌に採択された。具体的な内容としては、就労妊婦の4分の1がマタニティ・ハラスメントを経験し、そうでない従業員に比べてうつ病の有病率が約2.5倍高かった。テレワークにより物理的にオフィスから離れていても、マタニティ・ハラスメントのうつ病への影響は軽減されない可能性も示された。 研究期間中に追跡調査のデータの分析は間に合わなかったが、今後妊娠中のマタニティ・ハラスメントと産後の母子の健康(産後うつ、低出生体重など)との関連を検討する予定である。
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