2018 Fiscal Year Research-status Report
血清シスタチンC・微量アルブミン尿と認知症発症の前向き疫学研究
Project/Area Number |
18K17400
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
古野 晶子 久留米大学, 医学部, 助教 (80778291)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 認知機能 / 微量アルブミン尿 / シスタチンC |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国は超高齢社会へ突入し、個々の健康寿命延伸において、また医療経済において、急増する認知機能障害患者への対応は最重要課題である。現在認知機能障害の診断は、心理検査及び画像検査によるもので、近年腎機能障害が高齢者の認知機能障害と関連するとの報告も注目されているが、発病を早期に診断できる血液学的検査方法の確立には至っていない。そこで申請者の属する疫学研究チームが2009年に行った福岡県久留米市田主丸町の約2,000名を対象とした大規模住民検診において、早期腎障害のマーカーであるシスタチンCや微量アルブミン尿との関連を明らかにし、将来の認知機能障害の発症や進展の予測因子であることを明らかにし、超高齢社会の先頭をいく我が国において、健康寿命の延伸や医療経済への貢献につなげることを目的とする。 当初の実施計画通り平成30年5月より福岡県田主丸町において40歳以上の健康な住民2,000名を目標に10年毎の大規模住民検診を開始した。健康な地域住民を対象とした住民検診であり、久留米大学倫理委員会の承認を得、事前に対象地域の行政責任者(市長および保健福祉課の担当者)と面会・相談を重ね、検診対象者には、検診の目的や内容を説明した上、文書による承諾を得、各地区のコミュニティセンターにて行った。検診の内容としては問診、MMSE、身体計測、栄養調査、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図検査、心エコー図検査、頸動脈エコー検査、動脈硬化指数AI (augmentation index)等である。 実際の検診では対象者と十分にコミュニケーションを取りながら、看護師・検査技師などと協力し、概ね問題なく進めることができた。 私は7月より留学に付き添うこととなったたが、他のメンバーが検診を継続し11月までで予定通り終了した。帰国後それらの結果を整理・解析し、我が研究を再開する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2000人の対象者を集める予定であったが、各地域ともに高齢化が進みコミュニティセンターまで来るのが困難であったり、若い世代のために夕方からも検診時間を設けたりと工夫したが対象者の確保にやや困難を要した。新聞や地区放送による声掛けに加え、電話なども使用し、呼びかけた。また予定より検診期間を延長し検診を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
集まったデータを整理・解析し、認知機能とシスタチンCや微量アルブミン尿との関連について横断的・縦断的考察を行う。今回課題であった対象者の確保については,検診内容の見直しや対象者との信頼関係構築についてさらに工夫が必要である。
|
Causes of Carryover |
主人の付き添いにて2018年7月より留学となったため。次年度使用額は特殊採血代等に使用する予定である。
|