2018 Fiscal Year Research-status Report
薬物乱用の診断に有効な神経病理学的所見の免疫組織化学的検索
Project/Area Number |
18K17422
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高山 みお 福岡大学, 医学部, 助教 (40804802)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 神経病理学 / 免疫組織化学的染色 / 薬物乱用 / 剖検診断 / 法医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、薬物中毒が死因となった法医剖検例の脳を、免疫組織化学的に染色し、神経細胞、アストロサイト、ミクログリアの細胞毎に、傷害の特徴・程度を検討することで、薬物乱用に関連した症例の診断に有効な病理変化を解明し、得られた神経病理学的変化の剖検診断への応用を図ることを目的としている。 2018年度は、すでに集積していた脳の組織について、組織化学的染色のHE染色、LFB染色と、免疫組織化学的染色は神経細胞についてNSE、MAP2、GLUT5の、アストロサイトについてGFAPの、ミクログリアについてIba-1の染色を行った。 集積していた症例のうち、覚せい剤・危険ドラッグ等の違法の薬物が死因と関連のある症例の2症例における、海馬と小脳について観察し神経病理学的変化を検索した。その結果より、興奮作用のある薬物により海馬の神経細胞の変化が起こった可能性が考えられた。さらにより多くの症例と他の抗原に対する免疫組織化学的染色を行い検討する必要性があると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
集積していた薬物関連の症例と対照症例に関して組織化学的染色と免疫組織化学的染色を行った。 染色した症例の観察や病理所見の評価に取り組んだ。これらの症例うち、覚せい剤・危険ドラッグ等の違法薬物の関連のある2症例について、薬物による神経病理学的変化をまとめ、アメリカ法科学会で発表を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
すでに染色がすんでいる他の症例に関して、引き続き観察を行い、病理所見をまとめ、評価を行っていく。 さらに、新たな症例を集積し、染色、観察、評価を行っていく。 その中で、死因と病理所見、特に薬物乱用に関連した症例の診断に有効な神経病理学的変化を解明していく。
|
Causes of Carryover |
アメリカ法科学会で発表するため参加費・旅費がかかることから、前倒し請求を行った。その際使用しなかった額が生じたため、翌年度分で使用予定であった旅費で調整を行おうと考えている。
|
Research Products
(1 results)