2018 Fiscal Year Research-status Report
若年・中堅層の看護師に焦点を当てた転職の成果と課題の検証
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18K17426
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田中 聡美 山形大学, 医学部, 助教 (70584316)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 看護師 / 転職 / 計画的行動理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師の転職意思決定モデルは,<認知的態度>では「自分の看護実践能力が高まる」「今よりも仕事から充実感を得られる」「自己実現の手段を得る」「私が看護師として達成すべき目標が今よりも明らかになる」の4項目,<主観的規範>では「家族」1項目,<行動の統制感>では「年齢」「思い立った時に転職すること」「人脈」3項目の計8項目から構成される。この8項目は,個人が職業人生において何を大切にして,誰の意見を尊重して生きていきたいかが反映されていた。臨床現場において看護管理者は,看護師との面談の場でモデルを構成する8項目の側面から,転職意思の程度を査定することができると考える。加藤(2019)は,人は満足と幸福の選択で満足を選び,幸福を捨てると述べている。衣食住の満足や面子を保つ満足を得るために自らが幸福になることを捨てるという。職場への満足やコミットメントを示しながら転職を選ぶ者は,彼らの価値観で職業人生を幸福に生きるための岐路に立っているのではないか。それならば,どのような価値観が彼らの転職を促すのかを把握することはリテンション・マネジメントにおいて重要である。また,「行動の統制感」を構成する「思い立った時に転職すること」への自信は転職行動を引き起こす誘因であることが示された。この「思い立った時に転職すること」への自信が高い看護師は,今後のキャリアや将来のビジョンが見えない状態で転職意思を高め,転職行動に移る可能性があるため,転職行動を予測する上で重要な項目である。今後,本モデルを活用することで,従来の組織側の問題点の改善を目指すリテンション・マネジメントだけではなく,転職意思を高める個人側の要因という視点からスタッフを観察することで,看護師一人ひとりに合ったリテンション・マネジメントの検討を可能にすると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
職務満足感と幸福感との関連を測定するための尺度選定、もしくは尺度作成に向けて文献調査中であるが、職務満足感および幸福感それぞれの先行研究についての調査が不十分であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
職務満足感および幸福感の先行研究をまとめ、本研究において使用する尺度選定またはこれらの関連項目を文献より抽出し尺度を作成する。 尺度選定後は、調査研究への参加施設を無作為に抽出し、一次調査への参加同意書・説明書を発送する。
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Causes of Carryover |
昨年度の研究進行状況がやや遅れたこと、人件費でデータ入力する予定であったところを自身で実施したため。
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Research Products
(1 results)