2021 Fiscal Year Research-status Report
若年・中堅層の看護師に焦点を当てた転職の成果と課題の検証
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18K17426
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田中 聡美 山形大学, 医学部, 助教 (70584316)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師 / 転職 / 職務満足度 / 幸福感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、若年・中堅層の看護師に焦点を当て転職の成果と課題を検証することである。 2021年度は、病院勤務の看護師を対象とした職務満足度研究から、転職後の成果と課題の分析を通して転職入職者への支援を検討することとした。文献を精読する中で、看護師に対する職務満足度研究に関しては多様な課題が散見された。そこで、職務満足度研究から転職後の成果と課題を調査する以前に、職務満足度研究の課題を整理することを第一の目的に変更した。その結果、看護師に対する職務満足度研究の課題は【職務満足度尺度の看護師に対する職務満足度研究の課題は【職務満足度尺度の統計学的課題】【先行研究の結果と実態のズレ】【基礎研究から応用研究への発展の困難】の3つに分類され、看護師の職務満足度を把握する適切な尺度が存在していないことが考えられた。今後は転職入職者のニーズに着目し、多様化するニーズに応えながら長期的に雇用するための視点をもち、人材を育成していくことが必要であることが示唆された。
また、病院施設代表者へのインタビューにより、看護師の転職の成果と課題を把握する調査等を実施する予定だったが、一昨年度末からのCOVID-19による調査受け入れ状況の困難のため、こうした調査の実施は困難だと判断した。そこで、本研究の目的を達成しうる新たな研究アプローチとして、看護師の職業人生における幸福感という視点から整理・検討することに切り替えた。その結果、幸福な看護師は、職場での社会的な人間関係の良好さや、それに伴う働きやすさに幸福を感じていることが伺えた。リテンションマネジメントへの取り組みとしては、各組織において看護師を取り巻く社会的な人間関係に対する幸福感を高めることを目的とし、人間関係を改善・維持すべく自社の現状を把握することが不可欠であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた調査は、COVID-19のパンデミックにより協力施設との調整に困難を要したが、インタビュー調査を質問紙調査に変更し実施することができた。 現在は逐語録の作成、分析に向けてデータの整理を完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は当初の計画に則ってデータの分析を進める。現在は質問紙の内容を精査しているが、抽出された看護師の仕事に対する幸福感について質問紙調査を実施する予定である。さらに多変量解析による研究成果を発信する予定である。論文投稿も平行して行う予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会が延期され、予定していた旅費、学会参加費を使用することができなかった。残額の使用計画としては、論文投稿を予定しており、英文校正、投稿費用に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)