2018 Fiscal Year Research-status Report
初期キャリア形成期看護師におけるピア・コーチングの関連要因の探索
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18K17432
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
冨田 亮三 大阪府立大学, 看護学研究科, 助教 (90814012)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ピア・コーチング / 初期キャリア形成期 / 卒後2・3年目 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、基礎的な知識や技術を土台にし、高度な看護ケアに発展させていく重要な時期である初期キャリア形成期(卒後2・3年目)の看護師におけるピア・コーチングに関する研究である。ピア・コーチングとは、同僚間でなされる実践の振り返りや能力の洗練、広がり、新しいスキルの構築、アイディアの共有、問題解決、教え合うなどの協同作業を通じた教育的支援方法である。ピア・コーチングを用いた支援や活用性への示唆を得るために、ピア・コーチングとその他の概念との関係性を探索することが本研究の目的である。 初期キャリア形成期看護師におけるピア・コーチングと専門職的自律性、職業的アイデンティティの関係性について、全国を対象とした無記名自記式質問紙調査を実施した。ピア・コーチング測定尺度は研究者自身が作成し、信頼性と妥当性を確認したのちに使用した。専門職的自律性と職業的アイデンティティについては、既存の尺度を開発者の承諾を得て使用した。 有効回答の328名のデータをもとに分析を行った。年齢が平均23.3歳(SD=±1.14)、女性309名(94.2%)、男性19名(5.8%)で、看護師経験年数は、2年目が141名(43%)、3年目が187名(57%)であった。個人背景である性別(男性・女性)、看護師経験年数(卒後2年目・3年目)、基礎教育課程(大学・3年課程の専門学校)毎に、ピア・コーチングを比較したが、有意な差はみられなかった。ピア・コーチング、専門職的自律性、職業的アイデンティティを潜在変数として、それぞれの下位尺度を顕在変数として、共分散構造分析を行った結果、ピア・コーチングから専門職的自律性への関係が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度中に全国調査を終了することができ、分析が行えた。2019年度には、その結果を関係学会で発表する予定であり、当初の計画通りに進んでおり、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究にご協力いただいた施設に研究の成果を報告する。さらに、初期キャリア形成期看護師のピア・コーチングにおいて、教育的支援方法としての可能性を広く知ってもらうために、得られた知見を関連学会において発表する。
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Causes of Carryover |
2018年度では、統計学的分析における適切な標本数が得られるまで、全国調査の実施を予定していたが、予想よりも回収が順調に進んだため、次年度使用額が生じることとなった。 2019年度では、成果の発表が主になる。そのため、学会発表のための旅費、英文校正費などを賄うために、翌年度分として請求した助成金と合わせて使用を計画している。
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