2020 Fiscal Year Annual Research Report
Refining a Tool for Evaluating Nurses Judgments: Scale for Nurses to Reflect on and Rate Their Support for Therapeutic Decision-Making
Project/Area Number |
18K17433
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
尾形 裕子 北海道文教大学, 人間科学部, 准教授 (40738358)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 臨床判断 / 治療決定 / 看護実践 / 振り返り |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は看護師の判断力評価ツールである「患者の治療決定における看護支援振り返り」尺度の洗練化である.この尺度は,これまでの調査で一定の信頼性と妥当性を確保できており,大規模調査を行うことによる洗練化を目指した. 調査期間は2019年2月~4月,研究対象者及びデータ収集方法では,看護基礎教育終了後の臨床経験1年以上で治療決定の支援を日常的に実践している看護師を対象者とし,対象者の所属する施設は全国のがん診療連携拠点病院,難病医療拠点病院,救命救急センターをもつ施設とした.研究協力の承諾が得られた139施設に所属し,所属長より推薦を受けた1359名の看護師に自記式質問紙を配布し郵送法にて回収した.調査内容は,対象者の属性,患者の治療決定における看護支援の背景,患者の治療決定における看護支援の振り返り,社会的クリティカルシンキング志向性,臨床看護師の道徳的感性である. 有効回答は539部(39.7%)であった.信頼性と妥当性の検討は,尺度の項目分析を実施したうえで探索的因子分析ならび確認的因子分析,内的整合性,基準関連妥当性の確認を行った.項目分析と探索的因子分析後に確認的因子分析を行いデータに適合した結果が得られた21項目5因子構造を確認した.1因子〈医療チーム状況の把握〉,2因子〈看護師の役割認識〉,3因子〈患者・家族の背景の把握〉,4因子〈治療状況の把握〉,5因子〈患者・家族の意向の吟味〉と命名した.外的基準である社会的クリティカルシンキング志向性尺度,臨床看護師の道徳的感性尺度との相関が認められ,Cronbach のα係数は項目全体では.935,因子別では.875~.696であった. 本尺度は一定の信頼性と妥当性があることが確認されたため,看護師が臨床で治療決定の支援をする場面での判断力の自己評価として用いることが可能である.
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