2021 Fiscal Year Research-status Report
精神科入院患者に対する精神症状へのトリアージに関する研究
Project/Area Number |
18K17434
|
Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
松田 優二 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 講師 (50635448)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 災害対策 / トリアージ / 精神科 / 精神科入院患者 / 精神科病院 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、災害時の精神科入院患者に対する精神症状のトリアージ(医療の優先順位をつける選別方法)の現状について震災を経験した地域で調査を行い、災害時の精神科入院患者への精神症状のトリアージに必要な判断の項目を明らかにすることを目的とする。 2021年度は、文献検討等から当該目的の研究動向の調査、インタビューガイドを作成し、調査準備を行った。研究動向として、日常における精神科トリアージ研究に関しては、松原ら(2019)が豪州で開発された精神科救急医療の分野に限定したトリアージMental health triage scales(MHTS)を日本語版に翻訳したJPN Mental health triage scales(JPN-MHTS)を救急外来で1年間実践し、その結果について報告しており、橋本(2019)は 精神科救急医療と一般救急医療との連携におけるに精神科疾患の緊急度と診断類型を判断するトリアージ&スクリーニングツールJapan Emergency Psychiatry Scale-Expert opinion version(JEPS-Ex)の開発検証について報告してる。しかし、国内の災害時における入院患者への精神症状に関するトリアージに関する研究報告は見られなかった。調査準備の段階で、COVID-19の影響によりインタビュー調査対象との調整が難航し、調査数の確保ができない状況となったため、質問紙調査(郵送法)への変更にすることとした。 2022年度の計画としては、予定としていたインタビューガイドを自由記述式の質問紙として作成し直し、阪神淡路大震災以降に大震災を経験した都道府県で調査同意が得られた精神科病院の看護管理職(看護部長クラス)もしくは医療安全対策、防災対策委員の責任者を対象に調査を行う。また、得られたデータを分析し、学会発表、論文化を計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響により、調査対象者とのインタビュー調整が難航し、予定対象者数の確保が困難な状況になったため、質問紙調査への代替案の変更検討が必要になった。また、所属領域の教員が欠員のため、授業、実習等の教育業務への比重が偏り、研究活動の時間確保が困難な状況にあった。このような状況から調査実施の進捗が遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染拡大状況が未だに見通しが立たないため、インタビュー調査の代替案として質問紙調査(郵送法)に切り替える方向で調査を進めることとした。質問紙調査への変更は、インタビュー調査での質問項目を質問紙の項目に変更し、自由記載式の無記名アンケートに変更を検討している。質問紙調査の倫理審査委員会への申請の準備はすでに開始しており、倫理審査委員会の承認後より調査を開始する予定である。
|
Causes of Carryover |
(理由) 本研究で予定していたインタビュー調査の調整が難航したことなどから調査、分析実施ができず、調査に係る予算の使用の段取りが遅れてしまった。また、COVID-19の影響によるオンライン学会、大学業務のため予定していた学会・研修会などの参加ができず、旅費経費は使用できなかった。 (使用計画) 繰越金については、変更した調査に係る印刷費、郵送費などに使用するほか、データ入力のためのPC関連備品費や分析作業に係る経費、アルバイト依頼料、学会参加・発表、論文化に向けた参加費、旅費、プレゼンテーション関連備品費などに使用予定である。
|