2018 Fiscal Year Research-status Report
内科的治療を受ける入院患者への生活行動に基づく新たな離床看護プログラム開発と評価
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18K17439
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
加藤木 真史 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70521433)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 離床 / プログラム開発 / 内科的治療 / 生活行動 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、術後患者を対象に筆者が取り組んできた離床研究を基盤に、内科的治療を受ける入院患者を対象にした生活行動に基づく新たな離床看護プログラムを開発し、その実効性を検証することを目的としている。研究期間のなかで3つの研究(研究1:新たな離床看護プログラムの開発、研究2:効果検証に向けた測定指標の検討、研究3:新たな離床看護プログラムの実効性の検証)を実施する予定であり、2018年度は研究1に取り組んだ。 研究1は、先行研究を基盤にして、内科的治療を受ける入院患者(以後、内科患者)を対象とした、生活行動に基づく新たな離床看護プログラムを作成することを目的に実施した。内科病棟に勤務し、離床に関心のある複数の看護師に、術後患者を対象にした離床看護プログラムの内科患者への適用について聞き取りを行った。 その結果、内科患者においても離床は重要な課題であり、生活行動に基づく離床看護プログラムへの期待は大きいとの意見が得られた。一方で、①術後患者の離床に比べて、内科患者の離床は病状や治療内容、ADL等による個別性が大きいこと、②術後患者の離床プログラムで目標に位置づけた「もとの生活に戻る」は、内科患者の目標にはマッチしない可能性があること等の課題が挙がった。 以上の結果から、離床看護プログラムの開発に先行して対象患者を検討する必要性が明確となり、本研究では、地域包括ケア病棟に入院する患者を対象に、この先の研究を進めていくことにした。現在、地域包括ケア病棟の看護師および理学療法士らの協力のもと、実用的な離床看護プログラムの開発を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の目標である研究1を実施し、内科的治療を受ける入院患者を対象とした、新たな離床看護プログラム開発に向けた課題を明確にすることができた。しかし、離床看護プログラムを開発するところまでには至らず、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2019年度は、地域包括ケア病棟の看護師および理学療法士の協力を得て、引き続き研究1「新たな離床看護プログラム開発」を進める計画である。同時に、研究2「離床看護プログラムの効果検証に向けた測定指標の検討」にも取り組み、離床およびその効果を量的にとらえる方法を文献により検討し、実際の測定機器を用いた予備調査を計画したい。 さらに、当初の計画どおり、離床に関するウェブサイトを立ち上げ、研究成果の発信と研究ネットワークづくりにも取り組む。
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Causes of Carryover |
研究1で離床看護プログラム開発が完了しなかったこと、ウェブサイトの立ち上げが遅れたことから次年度使用額が生じた。 研究1による離床看護プログラムのデザインおよび印刷費、研究2による測定機器の購入費、ウェブサイト作成費に使用する予定である。
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