2018 Fiscal Year Research-status Report
高度実践看護師の包括的健康アセスメント能力を高める教育プログラムの開発と評価
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18K17445
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
浦中 桂一 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (00776859)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 診療看護師(NP) / シミュレーション教育 / 包括的健康アセスメント / 2次救急 / 救急外来 / 臨床推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,クリティカル領域の高度実践看護師(診療看護師)養成課程において患者の健康状態を包括的にアセスメントする能力を高めるシミュレーション教育プログラムを開発し,評価することである。 平成30年度は,研究協力者であり、シミュレーション教育に関わる診療看護師と看護学教員でシミュレーション教育の指導者研修を受講し、シナリオ作成についての考え方・知識・技術について修得した。シナリオ検討会議を2回開催した。会議では、診療看護師に必要とされる患者の健康状態の包括的アセスメント能力について開発メンバー全員で共通理解した。そして、診療看護師が日々臨床で遭遇する頻度の高い疾患・症候についての包括的健康アセスメントの視点をブレーンストーミングにて抽出し,患者設定や状況について決定した。また、看護学教員、医師の助言・指導を得てシミュレーション教育での指導ポイントを明確化し、患者設定について臨床での現状に沿う内容に修正した。上述した手順で開発したシナリオで、大学院生(修士課程)12名に対しシミュレーション教育を実施した。シミュレーション後には、大学院生を対象にシミュレーション教育前後の学修の達成度とシナリオについてのアンケート調査を行った。また、シミュレーション教育に関わった診療看護師、医師、看護学研究者、ティーチングアシスタントを対象にシナリオについてのアンケート調査を行った。現在は得られた調査データを解析している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は,患者の健康状態の包括的アセスメントにおけるNPの視点を明らかにすること,NPの視点を含めた事例を基にシミュレーション教育プログラムを作成し,NP養成課程の大学院生を対象に実施することを目標としていた。シナリオ作成の段階で,ブレーンストーミングを用いて包括的アセスメントにおける診療看護師の視点を含めた患者設定や状況について検討することができ、想定していた時間に比べ短時間でシミュレーション教育に用いるシナリオを開発することができた。また、開発したシナリオを用いシミュレーション教育プログラムを大学院生を対象に実施することができたため、進捗状況を上述のように評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の大学院生の学修状況やアンケート調査の結果をもとに、高度実践看護の根拠となる基礎を強化するプログラムを検討し運用していく。併せて開発したシナリオに関して、診療看護師、医師、看護学研究者、ティーチングアシスタントを対象にしたアンケート調査結果をもとに、再度プログラム評価をすることで高度看護実践能力向上を目指したプログラムを構築する。また、ファシリテーターやデブリーファーの実践方法や内容と大学院生の学習内容との間にどのような関連があるかを明らかにし、その結果をフィードバックすることで指導者側の教育能力の向上を目指す。
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Causes of Carryover |
平成30年度は急遽研究協力者のシミュレーションやファシリテーションに関する研修の参加が可能になったため、その研修費用や交通費捻出のために前倒し支払い請求を行った。そのため、次年度使用額が生じたと考えられる。使用計画としては、研究協力者1名のシミュレーションやファシリテーションに関する研修参加に係る費用や、研究成果の国内外への学会での発表に係る費用に充てる。
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Research Products
(3 results)