2022 Fiscal Year Research-status Report
身体疾患を有する患者の心理的アセスメントにおける看護学生パフォーマンス評価の開発
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18K17449
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
大山 末美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (40514245)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護学生 / 心理的側面への看護 / パフォーマンス評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
学力・学習の質的レベルの深さは3つのレベルで示される。それは,知識の獲得と定着である「知っている」レベル,知識の意味理解と洗練である「わかる」レベル,そして知識の有意味な使用と創造である「使える」レベルであり,かつ,それぞれのレベルは順に広がっていく。看護実践においては,「使える」レベルが必要であり,その能力は経験と研鑚で高められる。近年,知識やスキルを使いこなすことを求める評価方法としてパフォーマンス評価の必要性が求められている。パフォーマンス評価は「逆向き設計論」である。具体的には,まず第一に,求められている結果(目標)の設定を明確化し,次に求められている結果が到達できているかを確認する評価方法を決定し,最後に求められている結果に対応できる学修経験と指導計画を作成する。 本研究では,身体疾患を有する患者の心理的側面を看護学生が「把握している」と教員が判断した学生の言動を分析し,それを求められる結果として評価基準として設定する。分析した結果に基づき,「看護学生が身体疾患を有する患者の心理的側面」について,ルーブリックを作成し洗練する。 現時点で,大学教員で現在学生の実習指導を実践している看護系大学教員への半構成的面接を行い分析した結果を整理した。その結果を「知っている」「わかる」「使える」のレベルの検討を進めている。さらに,「知っている」「わかる」「使える」のレベルごとに,学生のパフォーマンスがみられた「刺激」となる事柄が何であったのかを分析整理している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は,研究参加者である現在看護学生の実習指導を実践している看護系大学教員への半構成的面接を行い分析した結果を「知っている」「わかる」「使える」それぞれのレベルの妥当性の検証を実施する予定であった。そのためには,修正delphi法を行い,専門家会議を開催し,調査を行いデータ収集する必要があった。 COVID-19の感染状況の悪化,感染状況悪化に伴う大学教育エフォートの増大により,妥当性の検討を行うためのデータ収集を行うことが困難となり,一部進捗を遅らせる必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,身体疾患を有する患者の心理的側面を看護学生が「把握している」と教員が判断した学生の言動を分析し,それを求められる結果として評価基準として設定する。分析した結果に基づき,「看護学生が身体疾患を有する患者の心理的側面」について,ルーブリックを作成し洗練する。 現時点で,大学教員で現在学生の実習指導を実践している看護系大学教員への半構成的面接を行い分析した結果を整理した。その結果を「知っている」「わかる」「使える」のレベルを検討している。 本年度は,修正delphi法による,専門家会議の開催と調査を行い,「知っている」「わかる」「使える」のレベルの妥当性を検証する。妥当性が確保された結果から評価指標となるルーブリックを作成する。
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Causes of Carryover |
2022年度はCOVID-19の感染拡大,感染状況の悪化のため,大学教育エフォートの増大が各看護系大学教員にあった。そのため,研究参加者である看護系大学教員を対象にした専門家会議および調査の遂行が困難となり,研究の進捗が遅れ,調査が遂行困難となり残金が生じた。 2023年度は,修正delohi法による専門家会議参加への謝金と交通費,調査を行うための費用,および,研究遂行に必要な消耗品購入に関して使用予定である。さらに,最近の看護教育の知見を得るための学会参加費,旅費などに使用する予定である。
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