2019 Fiscal Year Research-status Report
しびれ評価のためのアセスメントツール開発に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
18K17459
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
赤松 公子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (40346664)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | しびれ / 評価 / 日常生活動作 / 擬音語・擬態語 / 知覚検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、しびれの性質や程度を区分できる詳細な評価方法を確立し、しびれのガイドラインを作成することである。本申請期間中の研究目的は、糖尿病患者を対象として、しびれのないもの、足のみにしびれのあるもの、手足にしびれのあるものに分け、しびれの性質、しびれの程度、日常生活動作について比較検討し、評価方法を検討することである。 しびれの性質を擬音語・擬態語を用いて明らかにすることを試みることも研究の特徴である。 近年増加している糖尿病の合併症である末梢神経障害に起因する不快な症状や日常生活動作から末梢神経障害を評価することができれば、患者のセルフケアや看護ケアの効果を測るための指標として役に立つ。 平成30年度には、しびれの性質を明らかにするために調査に使用する測定項目や計測機器の検討を行った。令和元年度には適切な調査環境が整うように協力病院の医師や看護師との連絡調整を行うと共に、30~40分で調査が終了するように調査のシミュレーションを繰り返した。 研究者の所属機関、協力病院の倫理審査委員会の承認後、令和元年6月から協力病院に入院中の糖尿病患者を対象とした調査を開始した。調査前には患者に説明文書を用いて説明を行い、同意の得られた患者を対象として患者の希望する日時に調査を行った。令和2年4月末時点で31名(男性13名、女性18名)の調査協力を得ている。対象者の平均年齢60.4±13.4歳で糖尿病罹病年数13.9±11.6(0~38)年であった。対象者の入院目的は糖尿病教育入院、手術前血糖管理、糖尿病合併症精査であった。31名の対象者のしびれの状況は、しびれなし13名、足のみしびれあり9名、手のみしびれあり3名、手足にしびれあり6名であった。今後も調査を継続する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者の所属機関、協力病院の倫理審査委員会の承認をえて、令和元年から研究を開始した。概ね良好な進行であったが、コロナウィルス感染拡大の影響もあり調査が中断している状況である。 今後の予定である。50名の調査終了を目途にデータの分析を行い、対象者のしびれの特徴をしびれなし、足のみしびれあり、手足のしびれありに分類して知覚検査や日常生活動作の不自由さを中心にデータの整理を行う。 触圧覚検査に用いたSemmes Weinstein-monofilament(酒井医療KK)、振動覚検査に用いた音叉(C128 タカセ医療器)、痛覚検査に用いたアルゲジオメーター(インタークロスKK)、PAIN VISION(ニプロKK)のしびれ評価のための有用性と今後の課題を検討するとともに、質問項目に用いた日常生活動作項目のしびれ評価のための有用性と今後の課題の検討を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究に使用しているしびれ評価のための知覚検査機器や質問項目に用いた日常生活動作のしびれ評価のための有用性と今後の課題の検討を行う。 しびれの性質を擬音語・擬態語を用いて明らかにすることを試みているが、患者から新たな言葉も得ているため、再度しびれの性質を明らかにする言葉の吟味を行う。 国内外への公表と次年度に向けた継続課題の設定を行う。今後は50名の調査を目途にデータの分析を行い国内外の公表を行うとともに、次年度に向けた継続課題の検討を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染拡大に伴い2019年度末に予定した出張費を使用しなかった。次年度の研究成果発表や他機関の研究者との研究打ち合わせに充てる予定である。
|