2018 Fiscal Year Research-status Report
中規模病院と大学の協働が導く研究を中核にした質の高い看護を目指す人材育成の効果
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18K17469
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
高山 奈美 武蔵野大学, 看護学部, 講師 (00459132)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 院内教育プログラム / 人材育成 / 協働 / キャリアラダー / マネージメントラダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東京都下にある中規模病院と大学の協働による看護研究を中核にした院内教育プログラムの介入効果を明らかにし、質の高い看護に向けた研究成果を創出し続ける看護師の育成について検討することを目的としている。本研究を開始するにさきがけ、「3年目看護師が、自身の成長を実感し職業継続意思へとつながる院内教育プログラムの検討」をテーマとした研究を実施した。 【目的】経験年数3年目看護師が興味を持つ看護ケアの傾向を明らかにし、その動機と学習意欲との関連性の検討から院内教育プログラムへの示唆を得る。 【方法】3年目看護師30名を対象に、看護の現象を研究的に捉える視点と論理的な記述と思考を高めること、興味をもって主体的に学習へ取り組むことを意図し、自身が興味を持つ看護ケアの根拠について深く調べ、そのケアを実践可能にするための行動計画を立案する研修を実施した。研修報告書の、「ケアを選んだ動機」部分の記述を質的に分析した。 【結果・考察】研修参加者30名のうち、同意の得られた23名について分析をした結果、『3年目看護師に共通した興味ある看護ケア』は6項目に分類された。「必要とされる支援」の類似性を検討した結果、経験の中でわからない事を明らかにしたいという[現象の探求]として 、【根拠に基づいた効果的なケアをしたい】【安全を提供したい】【安楽を提供したい】、必要とされている看護ケアが何であるかを知るための[対象の理解]として【対象の心理的な苦痛を理解し、ケアに活かしたい】【対象の状況に応じ、根拠をふまえて応用した看護をしたい】【対象者自身のセルフケア獲得を支援したい】であった。以上から、経験年数3年目は患者の尊厳や個別性を考えたケアの重要性を実感し、ケアの質を高めるための探求心を持ち始めていた。看護ケアの根拠を知り、対象の理解を深める能力を強化する研修プログラムが必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の対象施設である東京都下にある中規模病院(以下A病院とする)は、充実した人材育成を目指し、複数名の主任が師長へ昇格し、看護部として新体制で今年度をスタートした。それに伴い、3年目の看護師をサポートする師長のメンバー構成も変更となった。新しく管理職となったスタッフに対する支援内容を強化しながら、3年目の看護師を対象とした院内教育プログラムは順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における院内教育プログラムの介入効果は、①ラダーⅠの看護師が身に着けた能力 (研究1:自己評価)、②看護管理者のコンピテンシー(研究2:自己評価)、③管理者を除く全 看護師が感じるワークエンゲージメントやチームワークへの影響(研究3:看護管理者への他 者評価を含む自己評価)、以上3つの視点で評価する予定にしている。文献検討を進めながら、研究1を開始する準備を進めている。
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Causes of Carryover |
本研究プログラムを開始した今年度は、院内で研究に取り組める環境を整えるために助成金を使用した。加えて、院内教育プログラムの内容の充実を図ることを中心に活動したため、次年度以降に積極的な学会参加を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)