2023 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal for an Effective Health Information Delivery Model Utilizing the Characteristics of Non-Japanese Resident Communities
Project/Area Number |
18K17473
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
山口 貴子 人間環境大学, 看護学部, 准教授 (90315911)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 外国人住民 |
Outline of Annual Research Achievements |
1990年の「出入国管理及び難民認定法」改定に伴い、日本での就労を目的としたアジアや南米出身の人々が急増した。新型コロナウイルス感染症感染拡大予防措置の影響で新規入国者数は一時激減したものの、2023年の在留外国人数は約322万人で、過去最高となっている。日本に住む外国人にとっては、言葉の壁が医療へのアクセスだけでなく、様々な要因から健康格差に寄与していることが報告されている。これらの問題に対し、国や自治体により、医療・保健・福祉サービス情報の多言語化、ガイドブックの作成、相談窓口の設置などが進められている。しかし、外国人住民による医療・保健情報へのアクセスの実態は明らかにされていない。これらを明らかにすることで、外国人住民の現状に合ったサポートを提供できるものと考える。 第1段階として、文献レビューから外国人住民が医療・保健情報の入手と利用の際に影響する要因を明らかにした。外国人住民は、母国とは異なる文化の中で言語による障壁を感じており、十分な情報が得られていない状況にあった。ソーシャル・サポートは親族や母国語を中心としたコミュニティによって提供されており、情報源も限られていることが明らかになった。 第2段階では、外国人住民に対するインタビューから、医療・保健情報へのアクセスについて、その実態を明らかにした。日本の外国人集住地域に住むブラジル人11名を対象に半構成的面接を行った。外国人集住地域に住むブラジル人の医療・保健情報入手について、同国人によって作られたソーシャルメディアやインターネットに頼っていた。また、コミュニティ内の親族、友人、通訳からの情報を活用していた。正確な情報が得られる手段は所属先や自治体からの情報だった。外国人住民は正確な母国語の文章による情報を望んでおり、これらの特徴を踏まえた、医療・保健についての情報提供が必要であることが示唆された。
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