2018 Fiscal Year Research-status Report
3Dスキャンシステムを用いたリンパ浮腫のセルフケアプログラム構築のための基礎研究
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18K17482
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 啓介 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (10464091)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 3Dデジタイザー / がん看護学 / 慢性期看護学 / 基礎看護学 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がん術後に続発するリンパ浮腫の多くは致死的な障害とはならないが、浮腫の症状管理において最も効果を発揮しうる多層包帯法などの圧迫療法を、長期にわたって継続することが重症化を抑制する上で重要である。一方で、これらの圧迫療法によって生じる不快感や関節の可動制限が生活の質を低下させ、一連のケアの継続を阻害させる可能性があることが指摘されている。ケアの継続には一般的に、患者自身がケア効果を認知し、継続する意欲を自らエンパワーすることが重要とされる。そのためには患者本人の効果の実感を客観的かつ効果を実感しやすい局所のデータで補うことなどによって、より効果的なフィードバックを施すことが有効であると考えられる。これまで、浮腫ケアの局所の成果を示すデータは、巻き尺を使った患肢の周径にほぼ限定されていたため、正確なデータの取得/提示が難しい状況があった。そのため本研究課題の遂行において本年度は実験系の最終調整を図った。健常者を含む計4例の上肢の形状を3Dスキャナーで取得し、専用ソフトウェアで解析した結果、①(左右上肢間の比較ではなく)同一上肢間の前後比較をすることが適切であること、②測定者がスキャニング技術を習得し、短時間(理想は10秒以内)でスキャンを完了することが重要であること(このためには想定より多くのターゲットシールを必要とすること)、③上肢の動揺が強い症例に対しては、形状取得範囲を前腕に限定させるなどの工夫が適切であること、などの次年度の研究推進にむけた重要な知見を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初より日本の代理店を通して海外から取り寄せることとなった3Dスキャナーの納品が2019年2月と遅れたが、年度内にプレテストを終え、3症例のデータ取得に着手できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に取得した知見(①(左右上肢間の比較ではなく)同一上肢間の前後比較をすることが適切であること、②測定者がスキャニング技術を習得し、短時間(理想は10秒以内)でスキャンを完了することが重要であること(このためには想定より多くのターゲットシールを必要とすること)、③上肢の動揺が強い症例に対しては、形状取得範囲を前腕に限定させるなどの工夫が適切であること、など)を実験系に活かして研究を推進する。
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Causes of Carryover |
3Dスキャナーの納品が想定外に遅延したことにともない、購入予定であった消耗品の納品に至らなかったため。2019年5月には納品される予定である。
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