2018 Fiscal Year Research-status Report
遅延割引を用いた肥満における摂食行動異常の評価系の検討
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18K17484
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 彬礼 京都大学, 医学研究科, 助教 (90794272)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食行動 / 肥満 / 遅延割引報酬 / 潜在連合テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満症や2型糖尿病の患者の多くでは、高カロリーや高脂肪の食事がいけないと分かっていても止められないため、高カロリーや高脂肪の食事への依存性が生じていると考えられている。この依存性は、脳内報酬系の反応性が亢進しているため引き起こされることが知られている。しかし、ヒトにおいて脳内報酬系の反応を行動として評価する系は確立されていない。 そこで、肥満患者の脳内報酬系の神経活動の亢進が、摂食行動における衝動性として現れているという仮説のを立てた。本研究では、衝動性の評価方法の一つとして知られている遅延報酬割引を用いて摂食行動における衝動性を評価し、肥満者の内臓脂肪量と食行動における衝動性の関連を検討することを目的に実施している。 平成30年度は、衝動性評価のために食物刺激を報酬として用いた遅延報酬割引の測定法を構築するための基礎検討を実施した。遅延報酬割引で測定される衝動性の妥当性評価法の検討を行い、潜在連合テストに着目した。潜在連合テストは様々な社会的対象に対する潜在的態度を測定することができる手法であり、実験心理学分野で用いられている手法である。潜在連合テストの食物刺激に用いる画像の選定のため、200枚の食物画像に対して「食べたいと思うか」などの主観的な評価項目を、被検者41名に調査した。この調査をもとに、今後の研究に使用する画像を選定し、遅延割引測定法を構築と妥当性検討、および内臓脂肪量との関連を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、2018年度は1次性強化因子である食物を報酬として用いた遅延割引測定法を構築する予定であったが、妥当性評価方法の検討および画像選択の基礎検討に難渋したため、系の構築が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎検討により、遅延割引測定の構築および妥当性検証は実施可能な状況にある。2019年度前半中にプレテストを行い、摂食行動における衝動性の評価を可能にする。その後、当初実施計画を立てていた、衝動性と内臓脂肪量との関連の検討に関しても対象者のリクルートを開始し、研究を実施予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度に予定していた遅延割引測定法の構築が遅れているため、予算を一部執行しなかった。 系の構築および当初計画していた衝動性と内臓脂肪量との関連の検討を行うことで、予定通り執行する。
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