2019 Fiscal Year Research-status Report
就労・育児世代に子宮頸がんの診断・治療を受けた女性の治療後の生活の実態
Project/Area Number |
18K17488
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小濱 京子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (40749082)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 社会生活, 就労・家事・育児を含む生活行動 / 若年成人がん患者 / アンメットニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、就労・育児・家事などの社会的役割を有する子宮頸がん患者について、1)診断から治療終了後1年目までに生じている療養生活と社会生活の両立に関連する困難の特徴を明らかにする。さらに2)困難と社会的背景との関連を調査し、困難が生じやすくより個別的介入が必要な対象の特徴について明らかにする。 昨年度の文献レビューで明らかになった点として、Maguireら(Maguire, Kotronoulas, Simpson, & Paterson, 2015)は、子宮頸がん患者が対象の調査に含まれる14文献(12研究)の分析から、満たされていないニーズ領域の特徴を明らかにした。サポーティブケアニーズの11領域のうち先行調査が少なかったのはスピリチュアル/存在的:死や死に向かうこと・死への恐れ・余生への恐れ(1; 8.3%)、家族関連:家族関係の機能不全・家族の将来への恐れや心配(2; 16.7%)、実用的:交通手段・リビングウィル・時間外の医療アクセス・葬儀・経済的負担など(2; 16.7%)、そして日常生活ニーズdaily living needs:日常生活の制限・家事や運動の制限(2; 16.7%)であった。特にMaguireらは、この対象への調査が、性生殖の問題を含む対人関係や親密さ、身体的ニーズに関することや、それに関連した心理・社会的な問題、または初期治療や治療段階の情報ニーズに偏っていることを指摘している。 注力すべき領域として、性生殖に関する情報関連の介入研究、治療と予後に関する質の高い情報提供や、そのための患者と医師のコミュニケーションを挙げている。先行調査が少なかった領域として、スピリチュアル、家族関連、実用的問題、そして日常生活のニーズは注目されていなかった。これらはいずれも、サポーティブケアに含まれる重要な研究課題である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通りのエフォートを配分できなかったために研究プロトコル作成・倫理審査が進められていない状況にある。所属変更に伴い、データ収集に必要な経費を鑑みると、フィールドの変更を余儀なくされている。
|
Strategy for Future Research Activity |
フィールドを変更したうえで関係者との調整、対象選定を検討しながら研究計画を進めていく必要がある。 対象の年齢制限や疾患が限られるため、データ収集に限界が生じる可能性がある。今後は研究当初の計画を拡大し、研究目的が達成されるように慎重に考慮したうえで対象の設定を見直すことも検討する必要がある。
|
Research Products
(3 results)