2019 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病「手帳」をつける経験の現象学的研究に基づく自己管理ツール開発案作成
Project/Area Number |
18K17490
|
Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
細野 知子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (00815615)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 糖尿病 / セルフモニタリング / 自己管理 / 自己注射 / 質的研究 / 現象学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、糖尿病自己注射患者が1年間にわたり自己管理手帳(以下「手帳」)をつけるという経験を現象学的研究によって明らかにし、糖尿病看護で活用できる自己管理開発ツールの基盤を創ることである。 2年次である2019年度の成果は以下の2点である。 1.データ収集:当初の計画通り、5名程度のデータ収集を進めた。本研究では、「手帳」をつけるときに生まれる「つぶやき」の記録が特徴的なデータであると判明した。「つぶやき」記録の有無、頻度、方法は研究対象者によって大きく異なり、各研究対象者が生みだす独自のスタイルが定着してきた。研究対象者による独自性は、個別性の高い糖尿病看護への貴重な示唆を含むと考える。しかし、年度末に予定していた対面インタビュー調査がCOVID-19感染拡大のために実施できなかった。 2.データ分析:医療社会学に関する駒松研究会(11月)、日本保健医療社会学会・看護・ケア研究部会(1月)、臨床実践の現象学会定例研究会(2月)でデータ分析を発表し、今後のデータ収集時の工夫や分析の方向性について示唆を得た。とくに、「つぶやき」を記録することの意味が明らかになりつつあり、糖尿病看護に活用できる可能性があると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、データ収集とデータ分析を進められているため、概ね順調に進展していると考える。現在は「つぶやき」の記録をつけない研究参加者が複数いることから、その意味を分析している。新規の研究対象者の参加内諾が得られており、近く調査を開始する。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.新規研究対象者を含むデータ収集を継続する。5名程度の研究対象者に加え、2020年度は1名の研究対象者の協力が得られることになっている。対面インタビューではCOVID-19の感染対策を踏まえた方法を検討する必要がある。当初より、記録の郵送、電話やオンラインによるデータ収集をしていたため、感染状況によって対面インタビューを避けるか、3密を避けた方法で実施するなど、安全な方法でデータ収集を継続していく。 2.データ分析を進める。今後は、1年間にわたるデータ収集を終了する研究対象者が増える。4年次(最終年次)の論文投稿とツール開発案作成に向けて、3年次である2020年度は個々の研究対象者のデータ分析に加え、研究対象者間に通じる主要テーマの分析も進める。複数の研究会・学会で発表し、データ分析を精錬させる。国際学会の発表を計画しているが、COVID-19感染対策を優先し判断する必要がある。
|
Causes of Carryover |
COVID-19により予定していた研究会が中止となり、旅費を使用しなかったため。
|
Research Products
(2 results)