2018 Fiscal Year Research-status Report
化学放射線療法を行う高齢がん患者の「食べて動ける力」を支える集学的ケアモデル構築
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18K17491
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
酒井 禎子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60307121)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢がん患者 / 化学放射線療法 / 食 / 活動 / 集学的 / ケアモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師へのインタビューを行うにあたり、現在我が国では食道がんを中心として化学放射線療法を行う患者への看護においてどのようなことが課題となっているのかを把握するとともに、ケアモデルを作成する上での方向性や留意点を明らかにすることを目的として、文献レビューを行った。文献検索システムにおいて、化学放射線療法をキーワードとし、我が国の看護の原著論文を検索した結果、68件が抽出され、その中で本研究に関連するものと思われる論文43文献をレビューした。43文献中食道がんを対象としたものは11件であり、その他は頭頸部がんの報告が多かった。いずれも、長期的な化学療法や放射線療法を行い、その有害事象から経口摂取が困難となることが多いことから、【有害事象とセルフケア】【栄養管理・食事】【患者の心理過程】に焦点をあてた研究に大別された。化学療法・放射線療法併用により有害事象が強く出現するためその予防・症状マネジメントや栄養管理を効果的に行うことが必要であるとともに、治療開始時の患者の心理状態からはその時点で説明されたことは覚えていない、あるいはイメージできていないことも多く、経過にあわせて説明やセルフケア支援をしていくことが重要であることが示唆された。また、栄養管理のために胃瘻や経静脈的な栄養管理が行われることもあるが、患者の有害事象の程度・食事摂取状況・栄養状態とその変化に関するアセスメントをチームで共有するとともに患者の「食」への思いを配慮しながら援助を進めていくことが必要であることが示唆された。化学放射線療法中の患者の活動やリハビリテーションに関する研究はほとんど見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
以前行った文献検討から時間が経過していたため、インタビュー調査を行う前に、改めて近年の知見を含めて化学放射線療法を行う患者の看護における課題や研究動向を把握し、インタビューガイドの作成に活用しようと思い実施した文献レビューに時間がかかり、昨年度中に調査に移行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
文献レビューから得られた知見はケアモデル作成に活用できるものであり、インタビュー調査と並行してケアモデルの作成を進めていけると考えている。
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Causes of Carryover |
30年度にインタビュー調査を実施しなかったため、これから実施するインタビュー調査に使用する分として移行し、当初予定していたケアモデル作成とともに助成金を使用していきたい。
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Research Products
(1 results)