化学放射線療法を行う高齢がん患者の「食べて動ける力」を支える集学的ケアモデル構築

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K17491
• Research Institution: Niigata College of Nursing
• Principal Investigator: 酒井 禎子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60307121)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 高齢がん患者 / 化学放射線療法 / 食 / 活動 / 集学的 / ケアモデル

Outline of Annual Research Achievements

「化学放射線療法を行う高齢がん患者の『食べて動ける力』を支える集学的ケアモデル」の作成に活用するために、看護師側から見た化学放射線療法を行う高齢がん患者の看護援助における課題を「食べること（食）」および「動けること（活動）」の視点から明らかにすることを目的としたインタビュー調査を実施した。
研究デザインは質的記述的研究デザインであり、対象は、がん診療連携拠点病院において化学放射線療法を行う高齢食道がん患者をケアする、研究協力に同意の得られた病棟・外来看護師である。化学放射線療法を行う高齢食道がん患者が抱えている生活上の問題（食や活動上の問題を含む）や看護師が行っている援助、看護援助を行う上での困難などを問う半構成的インタビューガイドに基づいた面接法によりデータ収集を行った。分析方法は、逐語録から看護師が捉えている化学放射線療法を行う高齢食道がん患者への看護援助における課題に関する語りを抽出し、質的に分析を行う予定である。
現在、7名の看護師を対象に面接調査を終了しており、逐語録の作成と質的分析を進めている。今年度は、これまで行った患者・家族を対象とした調査、文献検討、そして、看護師対象の面接調査から得られた結果を総合的にとらえ、【『いつもの暮らし』のアセスメント】【『食べて動ける力』を維持するセルフケア支援】【がんとともに『いつもの暮らし』に戻ることを支える外来での支援】の３段階（仮）で構成するケアモデルの試案を作成する予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

COVID-19による感染拡大予防に観点から、対面での面接調査時期を延期したため。

Strategy for Future Research Activity

本来予定していた面接調査の対象人数には至らなかったが、ケアモデルを検討するうえで必要な面接データは得られたと判断し、今後分析を進めていくとともに、ケアモデル作成を進めていく。また、オンラインの活用や感染対策を講じた上でのワーキンググループの実施など、感染予防対策を行いながら研究が可能な方法を検討し進めていく。

Causes of Carryover

インタビュー実施が遅れ、2020年度に予定していたケアモデルの作成やワーキンググループが実施できなかったことがことが理由である。2021年度は、ケアモデルの作成ならびに有識者レビュー・ワーキンググループ評価を行う予定であり、それらに関連した文房具類などの消耗品費や研究補助における人件費、学会発表のための参加費などに使用する予定である。