2020 Fiscal Year Research-status Report
看護師の終末期患者との心理的距離自己認識尺度の開発
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18K17503
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
西田 三十一 聖徳大学, 看護学部, 講師 (10736622)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護師 / 終末期患者 / 心理的距離 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、終末期患者と関わる看護師が、患者へ形成する心理的距離を振り返り、自己の関わり方を認識する尺度を開発することにより、患者との関わりについて自己を振り返るための示唆を得ることである。これにより、振り返る機会が得にくい多忙な臨床現場において、思い悩む看護師が自己の感情や思考を整理しながら、終末期患者の看護に前向きに取り組むことを促進することが可能になると考えている。 これまでに「看護師の終末期患者との心理的距離」についての看護師へのインタビュー調査を行い、その内容を質的に分析し本尺度の構成要素を抽出した。昨年度は、この構成要素に基づき質問項目を生成し、基準関連妥当性を確保するための尺度の選定や質問項目の内容的妥当性、および質問紙の表面的妥当性について、数名の看護職者に回答を依頼し検討した。それらの結果を踏まえて、本尺度や質問紙の内容について精選した。 今年度は、作成した質問紙をもとに、パイロットスタディ、本調査を実施する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症による医療現場への多大な負担があり、研究に協力していただくことが難しい状況であった。そのような中、年度末に、パイロットスタディとして、関東圏内にある300床以上の医療機関に本研究への協力依頼を行い承諾を得ることができた。本研究の研究対象者の条件に該当する「終末期患者と関わりのある看護師(一般病棟に勤務する方)」に、各病棟の看護師長から質問紙や返信用封筒を配布してもらった。各看護師は、回答した質問紙を研究者宛に直接返送した。質問紙の配布数は100名、回収数84名(回収率84%)であった。収集したデータをもとに、現在は分析の段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の拡大により、医療機関に研究に協力していただくことが難しい状況があるため本調査を実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、パイロットスタディとしてすでに収集したデータを分析し、本尺度の項目を精選する。その後、本調査を実施する。その際、新型コロナウィルス感染症の拡大状況を考慮しながら、層別に無作為抽出法を用いて対象を選定する。質問紙の配布予定数は1300であるが、社会の状況から実施可能性も検討しながら柔軟に検討する。データ収集後、分析を実施し、尺度の信頼性と妥当性を確保できる項目を決定する。研究結果をまとめ公表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症により研究を依頼することが難しい状況があり、データを収集できていないため、次年度使用額が生じている。次年度は、本調査を実施するために、質問紙や封筒の印刷、通信費、データ入力等に研究費を使用する。研究対象者数は、看護師1300名程度を考えているが、新型コロナウィルス感染症の拡大状況により、研究に協力していただくことが困難な状況も考えられるため、対象となる医療施設や人数については柔軟に検討しながら実施する。
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Research Products
(2 results)