2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a scale of psychological distance with dying patients formed by nurses
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18K17503
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
西田 三十一 聖徳大学, 看護学部, 准教授 (10736622)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師 / 終末期患者 / 心理的距離 / 尺度 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、終末期患者と関わる看護師が、自己の形成する患者との心理的距離を振り返り認識することが可能な「看護師が形成する終末期患者との心理的距離尺度」を開発し、信頼性と妥当性を検証することである。 これまでに、尺度原案68項目を作成したのち、パイロットスタディにより項目を精選し40項目を抽出した。その後、全国の300床以上の一般病床を有する医療施設92施設の看護師812名を対象として、郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した。調査期間は、2021年10月~2022年2月であった。分析は、記述統計、探索的因子分析などを実施した。信頼性はCronbach's α係数を抽出し、基準関連妥当性は、「Frommeltターミナルケア態度尺度」(中井ら, 2006)、「共感援助行動尺度」(上野, 2018)との相関を検証した。本研究は研究者所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。 その結果、質問紙回収数は327部(回収率40.3%)、有効回答数は323部(有効回答率39.8%)であった。最終年度は、これらのデータを分析した。探索的因子分析(一般化した最小二乗法、プロマックス回転)を実施した結果、最終的に4因子13項目を抽出した。第1因子(4項目)は「患者との距離の調整」、第2因子(4項目)は「患者から自己への思いの認知」、第3因子(3項目)は「終末期を意識した看護実践」、第4因子(2項目)は「患者への感情調整」と命名した。尺度全体のCronbach's α係数は.88であった。共分散構造分析のモデル適合度は、GFI= .94、AGFI =.90、CFI =.95、RMSEA=.06であった。本尺度と上記2つの尺度の因子間に有意な相関がみられた(p<.01)。 これらの結果から、本研究の看護師が形成する終末期患者との心理的距離尺度は、一定の信頼性と妥当性が確認された。
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Research Products
(1 results)