2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17504
|
Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
池田 真紀子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (90803776)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 再発大腸がん / 大腸がん患者 / 生を支える力 / がん患者 / 患者体験 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、大腸がん患者の現状として統計的推移を確認した。その中で、2016年の男性のがんの死亡数は21万9785人、死亡率(男性人口10万対)は361.1人であった。部位別に死亡率の年次推移をみると、肺がんは上昇を続け、1993年には胃がんを抜き第1位となり、引き続き上昇傾向であったが2016年は低下した。 胃がんは1994年からは上昇傾向であったが、2008年から低下傾向となっている。大腸がんは上昇傾向にあり、2007年に肝がんを抜き第3位となった。上昇傾向であった肝がんは、近年低下傾向で推移し、大腸がんの死亡率のみ増加傾向にあることは示されていた。2016年の女性のがんの死亡数は15万3201人、死亡率(女性人口10万対)は238.8人であった。部位別に死亡率の年次推移をみると、一貫して上昇を続けていた大腸がんは、2003年に胃がんを抜き、以降第1位となっている。 こういった現状を踏まえ、大腸がんに罹患する患者が増加すると共に、再発大腸がん患者も増加傾向にあることが予想され研究を行う上で対象となる患者数の増加も見込まれる。初年度として文献調査を行った。文献調査の中で、初期診断時、治療期、再発時点といった病期に特定した研究は少ない現状があり、まずは大腸がん患者に限定せずに、がん患者全般の精神面に関する研究として、がん治療中や治療後の精神的変化に関する研究を調査し、また大腸がん患者の治療として、ボディーイメージの変容というとても大きな苦痛を伴うことを踏まえ、ストーマ造設に関する研究についても文献調査を行った。がん再発、転移を経験した患者の精神的側面に関する研究として調査を行っている状況である。 その上で本研究では、先行研究から継続して、「生を支える力」についてのインタビュー調査を行うため、インタビューガイドの内容を検討するなどインタビュー調査に向けた準備をしていく段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、文献検討や大腸がん患者の統計的推移についての研究調査が進んでいる。次年度は更なる大腸がん患者、また再発大腸がん患者に関する文献検討を進めると同時に、自身の行った先行研究から継続してインタビューガイド等の作成を行い、インタビュー調査を行って行きたいと考える。そして尺度開発におけるアイテムプールの抽出へ繋げていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、大腸がん患者の現状として統計的推移について把握するとともに、更なる文献調査を行っている。本研究では、「生を支える力」についてのインタビュー調査を先行研究に 継続して行う予定であり、先行研究と今回のインタビュー調査結果より統合したアイテムプールを作成していくこととしている。現在、インタビュー調査において遅れている状況のため、今年度中にインタビュー調査を行い、アイテムプールを抽出する予定である。そして来年度には、これをもとに質問紙調査を行い、「生を支える力」の尺度開発を行っていくこととする方向性である。
|
Causes of Carryover |
研究の初年度として進めるにあたり、文献調査や研究に纏わる資料等をまとめていく中で必須であったパソコンを購入し、研究を実行した。また学会へ参加することで、がん看護に纏わる知見を深めることができた。しかし研究の進みとしてアイテムプールの抽出のためのインタビュー調査が今年度中に行うことができなかったため、次年度へ今年度使用予定の費用が次年度へ移行した形である。次年度における使用計画としては、先行研究と今回のインタビュー調査結果より統合したアイテムプールを作成していくに辺り、更に文献を取り寄せ、またがん・大腸がんにおける医療看護関連図書購入が見込まれる。またインタビュー調査をするため、遠方に出向くこととも考えられその際は交通費、また研究協力者への謝礼品が発生する。インタビューの際にはICレコーダにて録音をすることとなるため、その購入費用も必要となる。インタビュー内容におけるテープ起こしをする必要が発生するため、業者への依頼することとなり必要経費が発生する。またインタビュー調査やアイテムプールの抽出等にあたり、様々な研究資料を作成していくこととなり、資料整理をしながら行っていく。その際に、研究補助となる方を1名雇用する可能性がある。そして資料作成等にあたり、印刷をすることが更に増えるためインクカートリッジ等を購入する可能性がある。
|