2018 Fiscal Year Research-status Report
思春期のひきこもり親和性群の心理社会的要因とSNS利用の関連
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18K17505
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Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
玉田 聡史 湘南医療大学, 保健医療学部看護学科, 助教 (60804581)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ひきこもり / 親和性 / SNS / インターネット / 心理社会的要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ひきこもりの前段階であるひきこもり親和性の有る者(以下:親和性群)の心理社会的要因に、スマートフォンやsocial networking service(以下:SNS)の利用がいかなる影響を与えているのかを定量的に明らかにすることである。 2018年度は研究計画に則り、日本国内の当事者のひきこもる前後の心理社会的要因を明らかにすることを目的に文献検討を行った。文献検討は日本国内で実施された先行研究を対象に、医学中央雑誌Web版、CiNiiを用いて、関連しうるキーワードとシソーラスを含む文献を検索した。その結果、871件の文献を抽出し、そこから会議録やスマートフォンが登場する2008年以前の文献、複数のデータベースで重複している文献を除外し314件の文献を抽出した。314件の文献に対して、ひきこもる前後の時期の当事者の心理社会的要素に関連するデータに着目しハンドリサートを行い、8件の文献を選定したした。さらに、2008年以降の行政調査で当事者の体験が含まれる報告書2件を追加した10件の文献について文献検討を実施した。分析した結果当事者のひきこもる前後の心理社会的要因を抽出し、内容の類似性や体験した時期によって分類し、6つのカテゴリに大別した。 文献検討の結果をもとに、次年度にインターネットリサーチによって実施する調査に向けて質問項目案を作成した。作成にあたっては、対象者が回答しやすいよう質問内容と項目数を検討した。また、本調査は10代-20代が対象であり、インターネットリサーチへの回答をスマートフォンで行うことを事を考慮した質問項目を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の研究計画は、文献検討によってひきこもり親和群のひきこもる前後の心理社会的要因を明らかにすることであった。当初の実施計画に則り、日本国内の先行研究を対象に医学中央雑誌Web版、CiNiiを用いて関連するキーワード、シソーラスによる検索を行った。検索の結果、871件抽出し、そこから会議録やスマートフォンが登場する2008年以前の文献、重複文献を除外し314件の文献を抽出した。314件の文献を対象にハンドリサーチを行った。ハンドリサーチは、ひきこもる前後の時期の当事者の心理社会的要素、例えば人間関係に関連するデータ、日常生活関するデータ、心理状態等についてのデータを結果で示し考察されている文献を選定また。その結果、8件の文献が該当し、ここにここに2008年以降の行政調査で当事者の体験が含まれる報告書2件を追加した10件の文献について、ひきこもる前後の当事者の心理社会的要素を抽出し、記述内容別に検討を行った。対象となった文献は2010年-2017年に執筆されたものであった。研究デザインは量的研究が6件、質的研究が3件、で1件はは量的データと質的データを合わせた報告書であった。研究対象者は、ひきこもり当事者を対象にした研究が5件、当事者とその家族を対象にした文献が1件、一般大学生を対象にした研究が2件、一般住民を対象とした研究が2件であった。また、一般大学生と一般住民を対象とした研究はいずれもひきこもりの前段階とされる「ひきこもり親和性」の有無と心理社会的要因の関連についての研究だった。分析の結果、【家族関係】【学校での対人関係】【コミュニケーション傾向】【失敗体験】【自己認識・心理】【ひきこもる前後の生活】のカテゴリが抽出された。 最後に文献検討の結果から、次年度に実施するインターネットリサーチに適合するよう項目内容や項目数を吟味し、質問項目案を作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2018年度の研究で明らかになったひきこもる前後の心理社会的要因について、SNSを含むインターネット使用の傾向によっていかなる影響があるのかを定量的に明らかにしていく。そのため、インターネットリサーチを用い、ひきこもり親和性の有無、インターネット使用傾向、ひきこもる前後の心理社会的要因および関連する心理特性を測定するための尺度を使用した調査を実施する。今年度は、複数のインターネットリサーチ業者の中から、本調査に適するパネルを持つ業者1社を選定し、対象となった業者に対して作成した質問項目案ををもとに調査を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度に購入予定であった、研究遂行に必要なPCソフトの購入を次年度に先送りしたた。本調査のデータ収集の際に利用するインターネットリサーチ会社によって、データの提示方法に違いがあり、データの提示方法によっては必要となるソフトの機能を変更させる必要が生じてくる。よって、次年度にインターネットリサーチ会社を選定した時点で、必要なソフトを選定し購入を進める。
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Research Products
(1 results)