2019 Fiscal Year Research-status Report
虐待予防支援につながらない親の「育てにくさ」の認識と行動化との関連について
Project/Area Number |
18K17507
|
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
古澤 亜矢子 日本福祉大学, 看護学部, 准教授 (20341977)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 児童虐待 / マルトリートメント / 育児不安 / 親子相互交流方法 / 養育者支援 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
児童虐待予防を目指す中で、子育てをしている養育者の支援が必要と考える。特に育てにくいと感じる養育者が、支援を求めて適切な支援機関とつながっているのかに注目している。また、支援機関につながるものの養育者はその支援に満足をしているのかについて問題提示した。 そこで、本研究目的は、支援機関につながるもしくはつながらない養育者の特性を明らかにして、養育者支援を提示することである。 2019年度は、文献レビューと継続中の親子支援から概念枠組みを作成した。概念枠組みは、【養育者が認識する育てにくさ】と【養育者の反応と行動パターン】と【養育者が認識する適切な支援に繋がる感覚】には、あるパターンが生じていて、そのパターンの違いにより養育者支援を検討することが重要であると仮説した。【養育者が認識する育てにくさ】は、「親が認識する子どもの問題行動」と「親が認識する子側親側ストレス」で示し、【養育者の反応と行動パターン】については、インタビューと「援助要請スタイル」から示す。【養育者が認識する適切な支援に繋がる感覚】は、「支援につながり満足を感じポジティブな感覚をもつ群」「支援につながるが満足を感じなかったネガティブな感覚をもつ群」「支援につながらなかった群」での特徴を見る。本学の倫理審査は、すでに承認されたため、2020年度は調査実施予定である。 また、養育者の特性による支援の一事例をまとめた論文が、「Parent-Child Interaction Therapy with Japanese working mother and behavior problem child: A Single Case Study」であり、2020年度に論文が掲載される予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度2019年までの文献レビュー、養育者へのヒアリングを通して、養育者と子の現状と支援状況を整理して、概念枠組みを作成した。また、育てにくさを感じる養育者支援について、論文としてまとめた。 2020年度実施予定の質問紙調査は、研究者所属大学の倫理審査にて承認され、調査ができる状況になった。調査に向けての質問紙を揃えること、必要な物品は、2020年度初旬に準備していくことが課題である。調査研究対象者数は、COVID-19の現状に影響を受けると考えている。そのため、対象者数、研究方法を今後変更しなければいけないことも考えて準備を進めていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、調査を開始する。ただし、COVID-19の拡大がまだ続いているため、研究方法を工夫しなければいけない。対面式で調査を行うのではなく、インターネットを用いて(ZOOMなど)インタビュー実施や質問紙に答えてもらうことを検討しなければいけない。 研究成果発表がまだ少ないため、WEB学会発表など積極的に参加していく。より研究成果を深めるためにも専門家との意見交換、知識提供を依頼していく。
|
Causes of Carryover |
一部成果発表できる段階に入ったもののCOVID-19拡大により、学会参加ができなかった。また、調査の方向性、進め方を検討する時間が必要以上にかかり専門家知識提供への支払いが2019年度中にはできなかった。そして、質問項目の決定が遅くなり、倫理審査申請が遅れてしまったことにより消耗品や質問紙の購入ができなかった。この状況を踏まえて、研究経費の状況として、設備備品についてはほぼ揃えることができ予算通り執行できている。消耗費は、まだ調査ができていないこともあり執行できていない。国内旅費・外国旅費に関しても予算通り執行できていない。これは、成果発表時期にCOVID-19により、学会参加できなかったことが主な原因と考える。2020年度は、できるだけ成果発表をしていきたいが、まだCOVID- 19が続いているため課題である。インターネットを用いて海外の研究者との意見交換ができるような工夫が必要である。 人件費の状況として、専門家より多くの意見を提供していただいたものの、専門的知識の提供としての謝礼が遅れてしまったため2019年度活用できていなかった。2020年度は使用すること、海外投稿に向けての英文校閲などの費用に用いたい。また、その他、今年度は研究対象者への協力に伴う謝礼が必要となる。
|
Research Products
(1 results)