2020 Fiscal Year Research-status Report
虐待予防支援につながらない親の「育てにくさ」の認識と行動化との関連について
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18K17507
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
古澤 亜矢子 日本福祉大学, 看護学部, 准教授 (20341977)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 育てにくさ / 援助要請 / マルトリートメント / 親のメンタルヘルス / 発達障害 / ADHD / ASD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は【養育者が認識する育てにくさ】と【養育者の反応と行動パターン(Help-seeking,援助要請)】により【養育者が認識する適切な支援に繋がる感覚】がどのような関係にあるのか明らかにすることである。2020年度は、調査のための倫理審査を実施、その後パイロット調査を実施した。しかしながら、その時期にCOVID-19 pandemicにより、研究方法の一部変更(対面式インタビューから質問紙自由記載)をした。それに伴い再倫理審査を実施した。その後、当初予定していた時期からかなりの遅れがみられているが、10月よりパイロット調査を実施した。対象者は10名であった。 結果として、対象者を①育てにくいと感じたことがない群②育てにくさを感じたことがある群で年齢(SD)①43.75(2.22)②38.17(4.49)、PSI(子育てについてのストレス)①160.50②202.17、ECBI(子どもの親の行動評価)①94.50②125.33より、どの結果も有意差は見られなかったが、育てにくさを感じたことがある養育者の方が少し年齢が若く、子どものストレスも高く、子どもの親の行動評価も高い結果であった。また、Help-seeking援助要請については援助要請過剰型、援助要請回避型、援助要請自立型の3群に分けたところ、おおよそ先行研究と同じ値であった。 自由記載からは、育てにくさについては、養育者の子どもの行動評価値とそれに対する親の問題(育てにくさ)認識が重要であることが明らかになった。 以上のパイロット調査結果より、本調査に入る前に問題点がいくつか見えてきた。その後、再度国外のliterature reviewを実施しているところである。再度質問項目を再検討する必要があり、次年度はその部分を変更した上での本調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言により研究を控えなければいけない期間が長かったこと、当初予定をしていた施設に訪問することが出来なかったこと、対面式インタビューと調査が実施できなかったこと等、そして、大学運営業務の急増により研究時間の確保が困難であった理由から調査が非常に遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大が再燃してきたため、研究方法を再度検討している。そのため、海外文献を再検討する。それにより、研究方法、質問紙を変更する。そして、全面的質問紙調査のための質問項目を検討して、調査を進める。その後、結果を論文にまとめ、海外論文投稿の準備をしていく。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた調査がCOVID-19 感染拡大により遅れてしまい実施ができなかった。次年度本調査を実施する予定であり、調査のための外部委託費が必要である。 また、調査協力のための専門的知識の提供を予定していたが、調査等ができなかったため次年度になる予定である。 学会発表のための学会参加費、海外論文投稿のための英文校正費用が必要である。
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Research Products
(2 results)