2019 Fiscal Year Research-status Report
診断・治療開始時期のがん患者と家族への看護師主導型サポート支援に関する研究
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18K17514
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菅野 雄介 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00813403)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 緩和ケア / 支持療法 / がん / 意思決定支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、開発した看護師主導型オリエンテーション・プログラム(以下、本プログラム)の有用性を検証することを目的としている。具体的には、①アウトカム指標の検討とプログラムの改訂作業を行い、②有用性試験の実施を予定している。 2018年度は、看護師のアウトカム評価について検討した。がん診療連携拠点病院に勤務し、認知症認定看護師と老人専門看護師、がん相談支援センターに従事する専門看護師からヒアリングを行った結果、せん妄や認知症など認知機能が低下した高齢がん患者への対応が課題として挙げられ、早期からの対応(発症と重症化の予防)と専門家を含む多職種との連携が大事であることが分かった。ヒアリング結果を受け、本プログラムを実施するにあたり、看護師のレディネスを担保するため、認知機能が低下した高齢がん患者への看護実践を評価する尺度を開発した。 2019年度は、近年、抗がん治療の選択肢に、がんゲノム医療が追加されたことから、本プログラムの改訂を視野に、がんゲノム医療に携わる、がん専門看護師2名よりヒアリングを行った。その結果、がんゲノム医療を希望するがん患者と家族に対し、看護師は「患者の希望を尊重したケアを行う」、「患者の病状や治療の経過を見越したケアを行う」、「他職種と連携・調整を行う」などが抽出された。ヒアリング結果を踏まえ、本プログラムに、がんゲノム医療を追加する内容として、がんゲノム医療に関する知識やリソースを明示すること、がんゲノム医療を選択した場合の継続的で支持的なサポートが必要であることなどが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、開発した看護師主導型オリエンテーション・プログラム(以下、本プログラム)の有用性を検証することを目的としている。具体的には、①アウトカム指標の検討とプログラムの改訂作業を行い、②有用性試験の実施を予定している。2018年度と2019年度は、①を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、開発した看護師主導型オリエンテーション・プログラム(以下、本プログラム)の有用性を検証することを目的としている。具体的には、①アウトカム指標の検討とプログラムの改訂作業を行い、②有用性試験の実施を予定している。2018年度と2019年度は、①を行った。2019年度の知見から、新たにがんゲノム医療に関する内容を本プログラムに追加する必要がある。本プログラムの改訂作業を並行し、②に向け準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、調査研究における人件費や謝金、関連学会での研究成果発表のための旅費などが新型コロナウィルスの感染拡大により大幅に削減されたことによるものと考える。従って、次年度の使用計画では、研究協力者や研究者間での協議の効率化及び感染予防を図るため、ICTの整備費などに計上することを予定している。
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