2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a tailored self-care support program for patients with heart failure
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18K17517
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 尚子 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (00711392)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セルフケア / 自己管理 / 看護 / 心不全 / 療養行動支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性心不全患者において在宅でのセルフケア実践は、患者の生活の質を高め、心不全の増悪による再入院や死亡を抑制するために不可欠である。セルフケア行動を促すために、心不全に対する理解を高めることは重要であるが、患者の多くは高齢であり、ヘルスリテラシーが低い患者も多い。 そこで本年度は、これまでのセルフケア教育支援を見直し、新たなセルフケア支援のパンフレットを循環器内科医、薬剤師等と協同し作成した。新たなパンフレットでは、高齢患者にとっても受け入れやすいものとなるように、文字のサイズを大きくし、内容を分かりやすく丁寧に記述した。 現在、新たに開発されたパンフレットを用いたセルフケア支援の実現可能性や有効性を明らかにするための予備的調査を実施中である。本調査では、慢性心不全による入院中の患者に対して、看護師が新たなパンフレットを用いてセルフケア教育支援を実施している。セルフケア行動への効果を明らかにする目的で、セルフケア支援前と支援を受け退院した後にヨーロッパ心不全セルフケア行動尺度を用いたアンケート調査を行っている。 中間解析の結果、セルフケア支援前に比べて支援後では、下肢のむくみや体重が急激に増加した際に医療機関に連絡するという症状モニタリング行動の改善や、塩分を控えた食事への改善傾向がみとめられている。一方で、定期的な運動を退院後に実施している患者は少なく、退院後の身体活動への支援を強化する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
セルフケア支援のためのパンフレットの作成に予定より時間を要したため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに開発されたパンフレットを用いたセルフケア支援の実現可能性や有効性を明らかにするため、引き続きアンケート調査を実施する。その後、現在のセルフケア支援内容の改善方法を明らかにする目的で、慢性心不全看護認定看護師、病棟・外来の看護師、循環器内科医等を含め、得られた結果についてディスカッションを行う。さらに、提供されたセルフケア支援内容について、患者や家族からの意見も確認する予定である。これらの結果を踏まえて、現在のセルフケア支援に必要な修正を加えた後、セルフケア支援の有効性を検証するための研究を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に実施予定であったアンケート調査の準備・調整に時間がかかったため、この調査用の予算を利用しなかった。本調査は、次年度に実施予定であり、その際に利用する予定である。
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