2021 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチ患者の口腔ケアの現状および介入効果の多角的検討
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18K17523
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
浜崎 美和 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (70815935)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 女性関節リウマチ患者 / 抑うつ / ストレス / 精神的支援 / 疼痛 / ストレス対処への自信 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、日本人女性関節リウマチ患者の抑うつ症状に関連する因子を明らかにすることを目的として実施した調査結果を論文にまとめて投稿した。調査項目は、疾患活動性、日常生活動作、疼痛、自己評価式抑うつ尺度、ストレスの内容(病気、仕事、家族、日常生活の困難、用紙、治療、その他)、ストレス対処への自信や満足度(治療効果、健康状態、医療従事者との関係性)について自記式質問紙調査を実施した。なお、本研究は倫理審査委員会での承諾を得て、研究の趣旨や自由意思での参加、情報管理を行い個人が特定されないように十分配慮することを、文書と口頭で説明し、外来診察待ち時間を使用して実施した。 分析対象者は、145名で、抑うつ傾向を示した患者は18名(12.4%)だった。これらの患者において、抑うつ傾向を示す自己評価式抑うつ尺度は、疾患活動性や日常生活動作、疼痛やストレス内容項目数と正の相関を認めた。また、ストレス対処への自信や健康状態の満足度とは負の相関を認めた。 女性関節リウマチ患者は、家庭や日常生活の困難さといった様々なストレスを抱えていた。看護師は、精神的支援を実施しているが、定期的に患者の精神状態を評価し、ストレスへの対処の状況を把握するとともに、ストレス対処への自信や満足度を向上させるように支援することが重要であり、その為には、患者に関わる様々な職種間の連携・協力が重要であることが示唆された。ストレスや抑うつは、唾液分泌量を減少させたり口腔健康管理に影響することが報告されている。本研究結果は、口腔ケアの実施や口腔内環境の実態を明らかにするに当たり、影響要因として考慮する必要があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も引き続きCOVID-19による影響から、直接的に患者や唾液等を使用した調査を実施することが困難だった。その為、過去の調査内容を見直し論文にすることで、口腔ケアや口腔内環境に影響する要因を検討したり、ケアを行う看護師を対象に実際に口腔ケアに対する支援を実施しているかの実態調査を実施することが出来た。 2022年度は、より感染に注意した方法を検討した上で患者を対象に調査を実施する。 また、看護師を対象に実施した調査の結果は、学会発表するとともに論文投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、患者の口腔ケアの支援に関わる看護師の実態についての研究結果をまとめて、学会や論文投稿する。 また、患者の口腔ケアや口腔内環境についての実態調査は、感染対策を行い実施できるように、調査内容等をさらに検討して実施する。
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Causes of Carryover |
2021年度は、学会がオンラインで実施されて旅費の執行がなく次年度使用額が発生した。2022年度は、得られた結果をまとめて論文投稿する予定であるため、英文校正や投稿費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)