2018 Fiscal Year Research-status Report
慢性期統合失調症入院患者の活動に焦点を当てた睡眠ケアシステムの構築
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18K17529
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
武内 玲 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (60707769)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 睡眠 / 活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症患者の多くに睡眠障害があり、睡眠・覚醒リズム、メラトニン分泌リズムに乱れがある。統合失調症患者の睡眠と症状には関連があることが明らかになっており、精神科の中で睡眠へのアプローチは重要な看護ケアの一つである。一方、統合失調症患者の平均在院日数は、平均500日以上で推移しており、退院支援は、精神科の中で大きな問題となっている。長期入院により施設症などの症状も出現し、入院期間が長くなることで退院支援はより困難を極める。よって、本研究は、睡眠障害を持つことが多い統合失調症患者を対象に、日中の活動と睡眠の関連を検証し、日中の活動に関する介入を行い、客観的睡眠の質への効果を明らかにすることを目的としている。 研究実施にあたり、長期入院患者と外来患者を対象にしていたが、外来患者の協力者数を増やすことができなかった。そのため、長期入院患者を対象に研究を実施することとした。また、活動への介入をするにあたり、看護系学会やデイケア学会に参加し、現在の精神科病院の現状を把握するとともに、精神科病棟での運動療法を専門に行っている専門家の意見を得て、研究計画の精度を上げた。さらに、文献検討を行い、国内外の統合失調症患者を対象にした介入研究をまとめた。 現在、データをまとめ、介入研究に向けて研究計画書の作成に取り組んでいる。当該年度に実施した研究や、他の専門家とのディスカッション、文献検討により、より精度の高い介入研究が実施できる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施にあたり、対象者に変更があるなど研究計画段階から大きく方針転換した部分もある。そのため、研究実施に時間がかかり、データをまとめきることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
残りのデータをまとめるとともに、睡眠の季節性を考慮し、秋ごろに介入研究を実施できるように進めていく。 また、まとめたデータは、国内外の学会で発表を行う。
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Causes of Carryover |
研究実施にあたり、対象者や人数変更により、物品費と人件費・謝金が大幅に減った。しかし、次年度、介入研究を実施するにあたり、サンプルサイズなどを計算すると、研究計画段階よりも多くの協力者を得る必要ができた。また、睡眠研究は季節性を考慮する必要があり、短期間に実施しなければならない。よって、繰り越し分は、介入研究のための物品購入や人件費・謝金に使用する。
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