2019 Fiscal Year Annual Research Report
Examination of the validity for the clean room non-adaptation scale : CnA-S2
Project/Area Number |
18K17530
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山田 忍 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (20611057)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん患者 / クリーンルーム / 尺度開発 / 妥当性 / 適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
クリーンルーム入室患者の不適応感を明らかにする尺度として,医療者が客観的に記入する尺度の開発を行って来た。しかし,患者が記入し評価することの課題も残っていた。今回患者と看護師が並行して記入した尺度について比較検討した。所属施設の倫理審査の承認を得て行った。結果として,20組のデータが得られた。看護師平均年齢29.4(±7.08)歳,患者平均年齢64.85(±14. 88)。看護師経験年数平均6.60(±5.54)年,うちクリーンルーム経験年数3.70(±2.897)年,患者のクリーンルーム入室期間平均39.26(±32.03)日であった。下位尺度毎に看護師と患者の尺度得点差を算出,看護師経験年数,クリーンルーム経験年数で尺度得点差を比較し有意差は無かった。得点差を従属変数とした一元配置分散分析では,「情動性傾向」で差が大きく有意差を認めた(F(6,13=4.79)=4.79,p<.01)。患者の尺度に記入した意見では「自分を客観的に観ることが出来る目安になる」や「自分の情報として知りたい」といいうポジティブなもの,「字が小さいから付け難い」「面倒くさい」や「もっと食欲低下の内容を聞いてほしい」など記入作業,項目に関してのネガティブな意見があった。死に関する質問項目では,「グサッとはこない。全て言ってほしいと思っているので」「病状を考えてもらっている」など肯定的な意見であった。看護師のスキルの違いで尺度得点の差に有意差は無く,医療者間で標準的に使用できると考えられた。「情動性傾向」の差が大きく出ていることは,患者の内面に関して客観的に観察するだけでは理解が足りないことが示唆された。クリーンルーム入室患者の不適応感を明らかにするツールとして,患者自身が記載し活用するには,尺度の字の大きさに留意し,得点の採点に関しては医療者が行うなど,その都度の対応が必要であると考えられた。
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