2021 Fiscal Year Research-status Report
アディクションの根本原因としての機能不全家族の特性の解明と看護介入方法の検討
Project/Area Number |
18K17534
|
Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
日下 修一 聖徳大学, 看護学部, 教授 (00566614)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 機能不全家族 / アディクション看護 / 家族看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアディクションを統合した観点から捉え、アディクションの根本原因には機能不全家族の問題があることを明確にし、どの程度の機能不全家族の問題が薬物依存などの依存症あるいは児童虐待を引き起こすのかを明らかにする。さらに、薬物依存症などの依存症や児童虐待の予防に必要な機能不全家族の問題の解決の要素を明らかにすると共に、機能不全家族に対する評価尺度を考案し、看護職が行える介入の方向性を検討し、依存症者とその家族、児童虐待加害者及び被害者の回復の具体策を提案することを目的とするものであり、2021年度は刑事施設職員及び児童養護施設職員に対する面接調査による質的研究及び薬物、アルコール、ギャンブル依存症者の自助グループ参加者及び家族に対するアンケート調査を自助グループに協力を依頼し、郵送法を用いて機能不全家族の問題が依存 症の原因としてどの程度関わっているかの実態を調査すること、機能不全家族の問題の評価尺度を開発すること、カウンセリングの方法など看護職が行える具体的介入方法を検討すること、及び学会発表が実施計画であった。 2021年度は昨年度に引き続きコロナの影響で、アンケートの配布およびインタビュー調査を受け入れる施設がなかったため調査活動が進まなかった。学会発表活動を行った。学会発表では日本家族看護学会および日本看護研究学会の中で、機能不全家族の問題に関する交流集会を中心に、発表活動を行い、児童虐待およびギャン物依存の問題点について、これまでの研究結果を基に報告し、ディスカッションを行い、それぞれの問題点についての広報活動および様々な知見を得ることができた。日本アディクション看護学会第19回学術集会で、「アディクション看護介入の方向性」について講演し、研究成果を公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ拡大により、自助グループの開催中止、配布場所の制限、依頼の困難が重なったこと。また、児童養護施設、刑事施設についても訪問による面接調査の困難が伴い、対象施設への依頼ができなかったことが原因で、研究が進まなかった。 アンケート調査は一部のみ実施できたが、インタビュー調査はできておらず、大幅に遅れている。文献調査、学会発表を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査対象団体の見直しも含め、コロナの影響が緩和される方向性が進展していく中で、アンケート調査およびインタビュー調査を実施し、2022年度で完了する予定である。 質問紙調査の調査依頼は直接訪問する形は避け、自助グループ代表者にある程度依頼することにより、コロナ下での調査を行う。場合によってはネットなどを 活用した調査を行うことも検討する。 面接調査については、緊急事態宣言の合間を縫い、地方を中心に記事施設、児童養護施設を訪問することによって実行する。状況に応じて、Zoomなどを用い た、リモート調査を検討する。
|
Causes of Carryover |
2021年度はコロナ拡大に伴う、研究の遅れにより、次年度使用額が生じました。 2022年度は再度調整し、研究の遅れを取り戻し、調査費用(郵送法に関連する支出、印刷費、旅費)、分析費用(アンケート調査の入力委託関連、面会調査の テープ起こしなど)として、適切に使用していきます。
|