2020 Fiscal Year Research-status Report
精神科の新人看護師が暴力被害による危機を乗り越えるプロセスの解明
Project/Area Number |
18K17535
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
重田 ちさと 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (70804912)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 精神科 / 新人看護師 / 暴力 / 危機 / 心的外傷後ストレス障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「精神科の新人看護師が暴力被害による危機を乗り越えるプロセスを明らかにする」ことである。 患者から暴力を受けた精神科新人看護師のうち、精神的な危機を回避することができる新人看護師は、危機理論の問題解決モデルにおける3つのバランス保持要因にあたる「暴力被害に対する認知」、「周囲からのサポート」、「暴力被害に対するコーピング行動」が充足していると考えられる。しかし、それらの要因がどのように影響し合って暴力被害による危機を乗り越えることができるかについては明らかとなっていない。 令和2年度は、【研究1】「ベテラン看護師が暴力被害を受けた精神科新人看護師に対して、支援の必要性を判断し、介入するプロセス」を明らかにするため、看護管理者・精神科専門看護師・精神科経験10年以上の看護師を対象に質的調査を実施した。計画では、結果を纏め、学会発表と論文投稿をする予定であったが、COVID-19感染症拡大の影響でデータ取集に時間を要したたため、現在、データの分析途中である。 今後の研究計画として、令和3年度は、【研究2】「暴力を受けた精神科看護師が周囲からのサポートをどのように活用しているのか、さらに暴力被害をどのように認知し、対処することで暴力被害による精神的な危機を乗り越えているのか」明らかにするため、暴力被害を乗り越えた経験のある精神科経験3年未満の看護師を対象に質的調査を実施する。 さらに、令和4年度は、【研究3】「精神科新人看護師の暴力被害後のサポートやストレスの経時的な変化」を明らかにするために、患者から暴力を受けた精神科経験3年未満の看護師を対象にアンケート調査を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染症拡大の影響で予定よりもデータ収集に時間を要したため、【研究1】「ベテラン看護師が暴力被害を受けた精神科新人看護師に対して、支援の必要性を判断し、介入するプロセス」のデータ取集と分析を実施途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、【研究1】「ベテラン看護師が暴力被害を受けた精神科新人看護師に対して、支援の必要性を判断し、介入するプロセス」の結果を纏め、学会発表と論文投稿を予定している。さらに【研究2】「暴力を受けた精神科看護師が周囲からのサポートをどのように活用しているのか、さらに暴力被害をどのように認知し、対処することで暴力被害による精神的な危機を乗り越えているのか」を明らかにするため、質的調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染症拡大の影響で予定よりもデータ収集に時間を要したため、令和2年度で学会発表と論文投稿が実施できなかった。そのため、令和3年度で、学会発表と論文投稿の経費として使用する。
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