2019 Fiscal Year Research-status Report
Construction of support model to the spirituality of cancer survivors in the outpatient
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18K17537
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
北村 佳子 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (20454233)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スピリチュアリティ / がんサバイバー / 看護師 / 外来看護 / 支援モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外来通院中のがんサバイバーのスピリチュアリティを支える支援モデルの構築を目指すことである。本研究では、人が人生の危機に直面したときの中心的テーマになるのはスピリチュアリティに着眼した。スピリチュアリティに生じる苦痛のスピリチュアルペインは、意識の志向性に応じて現出するゆえに身体的・心理的・社会的苦痛とも混在して表出され、繰り返し経験される。そこで、外来通院中のがんサバイバーが診断や治療を受け、その後を生きていくプロセスには絶え間ない支援が必要と考える。本研究では、彼らを支援するモデル開発に取り組んでいる。本研究の独自性と創造性は、スピリチュアルペインへのケアをがん終末期患者だけでなく、外来通院中のがんサバイバーのスピリチュアリティを支える支援モデルの構築を目指した点である。 進捗状況は、がん看護に携わる看護師を対象に、「がん看護・スピリチュアルケア研究会」を一回開催している。研修会は、2019(令和元年)年11月9日(土)10時30分から15時に、会場は金沢医科大学病院 中央棟3階中会議室3で開催した。テーマを「看護師のスピリチュアリティとがん看護」とし、講師を平山 惠美子 先生(藍野大学医療保健学部看護学科成人看護学 教授、日本スピリチュアルケア学会認定スピリチュアルケア師(専門))を招いた。受講した看護師らは、受講したのち、グループワークによって、自身の事例を振り返った。 出席者は、4名であった。看護師経験平均年数は、19±13.3年(3~35)、がん看護経験年数17.3±12.3(1~30)であった。年齢は、20~50歳代各年代に1名ずつ参加した。講義テーマの関心度および内容について、「非常にもてた・かなりもてた」・「非常に満足・かなり満足」がそれぞれ100%であった。さらに、出席者全員が、講義内容を明日からの看護実践に活かせると回答した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れの原因には2点ある。 1点目。外来がん看護に携わる看護師を対象とした研修会を実施した。この研修会は、受講者には自身の事例を準備してきてもらい、看護実践を振り返る内省の機会を設けた。参加者も20代から50代まで各年代の看護師が参加し、がん看護の経験年数も1年から30年の層から関心が寄せられた。受講者からは明日からの看護実践に活かせる内容であったとの評価を得ることができた。しかし、その一方で、「開催案内の時期が遅い」「対象者の拡大」などを指摘された。参加者数を増やす方法について、反省点を活かしていく。 2点目。外来がん看護に携わる看護師50名と外来通院中のがんサバイバー50名を対象としたスピリチュアリティの実態調査が実施できていない。理由は、病院リストアップと尺度の検討に時間を要しているからである。まずは、病院リストアップし、がん看護に携わる看護師対象にスピリチュアリティの実態調査が実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、病院をリストアップし、施設に対し調査協力を依頼する。がん看護に携わる看護師対象にスピリチュアリティの実態調査が実施する。対象は、がん看護に携わる看護師50名とし、スピリチュアリティとスピリチュアルケアの実態と関連を明らかにする。尺度は、スピリチュアリティ評定尺度15項目およびスピリチュアルケア測定尺度22項目を用いる。質問紙調査は宿題型郵送法で行う。
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Causes of Carryover |
外来がん看護に携わる看護師50名と外来通院中のがんサバイバー50名を対象としたスピリチュアリティの実態調査が病院リストアップと尺度の検討に時間を要しており実施できなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、調査のための質問紙作成、郵送代、会議用のノートPC、研修会開催のための謝金、会場費、論文翻訳料、学会発表旅費等に使用予定である。
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