2020 Fiscal Year Research-status Report
妊婦の腰痛に対する助産師のケアの開発 第1弾 妊娠による姿勢の経時的変化の測定
Project/Area Number |
18K17547
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
早狩 瑶子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (30634711)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 妊婦 / 姿勢 / 足部アーチ / 腰痛 / 助産師 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中の腰痛は約50~70%の妊婦が経験する代表的な不快症状である。本研究では、妊娠中の腰痛の発症要因の一つとされている妊娠による姿勢の経時的変化と腰痛との関連を明らかにすることを目的とし、妊娠初期・中期・後期に妊婦の脊柱アライメント、骨盤傾斜角度、足底接地面、足部アーチ高を測定し、併せて妊娠中の腰痛についての質問紙調査を行った。 2020年度には前年度から調査協力を得ていた対象者のデータ収集を継続して実施した。妊娠経過が正常から逸脱したことによってデータ収集を途中で中断する症例が数例あり、最終的には13名からのデータ収集を終えた。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響で、2020年3月からは研究協力施設からの調査協力を休止しており、新たな対象者の確保はできなかった。 妊婦11名の測定を終了した段階でデータを分析した結果、各測定項目について有意差は認められなかったが、妊娠経過に伴って骨盤が前方に傾き、胸椎が後方に反り、足部アーチが扁平化する傾向が認められた。妊婦は妊娠後期には上半身をより後方にすることで体幹のバランスを保持し、腹部等の増大による足部への荷重増加のために足部アーチが扁平になる傾向にあることが考えられた。また、脊柱アライメントについては、彎曲が一旦は減少するが、妊娠後期になると一転して彎曲が増強する傾向にあったことから、妊娠経過に伴う変化は直線的なものではなく、増大する腹部等の程度に応じて彎曲の増減を調整させながら変化していることが示唆された。上記の結果について、2021年3月に開催された第35回日本助産学会学術集会にて成果の発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、新規に研究への協力依頼をすることができなくなり、データ収集を中断しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の対象が妊婦であるため、新型コロナウィルス感染症の感染リスクを考慮すると安全性が確保できるまではデータ収集を一旦中止せざるを得ないと考える。今後、データ収集が再開できた際には、新型コロナウィルス感染症の感染予防方法も含めて本研究の実施方法等について対象に説明し、同意を得たうえで慎重に実施する必要がある。
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Causes of Carryover |
研究計画の段階で使用予定であった機器が高額のため購入できず、他のデータ収集方法に変更したため。また、新型コロナウィルス感染症の影響でデータ収集を中断したことによって謝金を使用せず、オンラインでの学術集会の開催によって旅費等も発生しなかったため。 データ収集が再開できた際には、対象への謝金や研究遂行に必要な備品の購入、成果の発表のために使用する予定である。
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Research Products
(1 results)