2018 Fiscal Year Research-status Report
早産児の呼吸の安定と自己調整機能の成熟を支える看護援助モデルの構築
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18K17550
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
仲井 あや 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30612197)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NICU / preterm infant / 早産児 / 乳幼児突然死症候群 / 感覚統合 / 自己調整機能 / 呼吸パターン / 脳幹機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新生児集中治療室に入院する早産児の呼吸の安定と自己調整機能の成熟を支える看護援助モデルの構築であり、平成30年度は主としてフィールド調査と文献検討を実施した。具体的内容は以下の通りである。 1.フィールド調査・研修(2018年7月~8月) 1)データ収集予定施設2施設に出向き、病棟の環境や設備、入院患児の疾患や治療上の特徴、病棟組織と看護の体制等に関する情報を得た。また、病棟スタッフと研究者との連絡方法を確認するとともに、相互の協力体制の構築に努めた。2)本研究課題と関連して継続的に実施している「新生児・早産児行動評価法(APIB)」の研修に取り組み、米国コロラド州のコロラド小児病院において、観察手技と観察内容に関する確認試験を受験した。試験の結果、観察手技は合格、観察内容は、早産児の状態評価に関する項目(生理的状態、姿勢・運動、睡眠-覚醒、注意-相互作用、自己調整機能)の観察において合格基準に到達した。早産児の反射・反応に関する観察では研修継続が必要となった。この試験結果を受け、本研究で行う早産児の観察において、早産児の状態評価に関するAPIBの手法の活用が可能となった。反射・反応の評価は今後の活用に向けて研修を継続する。 2.文献検討(2018年4月~2019年3月) 1)新生児期の脳幹の成熟過程について文献検討を実施し、(1)乳幼児突然死症候群との関連、(2) 感覚統合と心理社会的発達との関連、(3)睡眠-覚醒状態の調整との関連について知見を整理した。また、この成果を国際新生児看護学会2019年学術集会(2019年5月開催予定・ニュージーランド)に演題登録し、示説発表の部において抄録が受理された。2)本研究課題と関連する先行研究の内容を英論文にまとめ、米国の専門誌(Advances in Neonatal Care)に投稿し、現在、再投稿への準備段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画に沿い概ね順調に進展していると言えるが、当該年度内に予定していた研究データ収集の開始には到達していないため、「やや遅れている」と判断した。データ収集施設の組織体制に変更が生じ、病棟の連絡窓口となる方が研究計画当初とかわられた。これらを受けて、研究に関する施設との連絡方法の見直しを行うとともに、研究施設内の人事異動後における組織的な安定を待ってからデータ収集を開始する計画へと変更した。また、当該年度は文献検討や観察手技を高めることに重点を置いて計画を遂行した。計画変更に合わせて、観察に必要な機器の購入も次年度へと繰り越した。
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Strategy for Future Research Activity |
実施計画における各時期を以下のように変更し、計画を修正して研究をすすめる。 1.データ収集と分析:①2019年6月に倫理審査委員会に計画書を提出し手続きを行う。②2019年7月~8月にデータ収集予定施設2施設に出向き、研究協力依頼を行う。③2019年9月~2020年9月にデータ収集を実施する。④2020年10月~12月にデータの分析を行う。⑤2021年1月~8月に、看護援助モデルを構築し、その評価を行う。⑥2021年9月~2022年3月に研究成果を学会や論文で発表する。 2.研究が計画通りに進まない場合の対応は全期間を通じて考慮し、2019年8月までにデータ収集を開始できない場合には、研究の実施可能性を再検討する。具体的には、研究予定施設の看護師長に相談を行い、観察時間・方法において研究計画の一部変更を考慮する。 3.その他、新生児・早産児行動評価法(APIB)の観察手技を本研究課題の観察においても活用するとともに、研修の継続および反射・反応の評価項目での試験合格を目指す。
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Causes of Carryover |
フィールド調査の結果、研究施設の組織体制と看護体制に一部変更が生じていることが分かった。このため、データ収集開始時期を次年度に変更した。このため、当該年度は文献検討および観察法の研修を中心に行い、行動観察に用いるビデオカメラの購入費の一部を次年度に繰り越した。
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Research Products
(1 results)