2019 Fiscal Year Research-status Report
生体内ホルモンを指標とした周産期の不安・抑うつ症状に関する縦断的研究
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18K17562
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
金粕 仁美 福井県立大学, 看護福祉学部, 助教 (10723645)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 周産期 / 抑うつ症状 / 不安 / コルチゾール / オキシトシン |
Outline of Annual Research Achievements |
妊婦の不安や抑うつ症状と、早産や低出生体重児、産後うつ、生まれてきた子どもの行動面・感情面の問題との関連については多くの報告がみられる。本研究では、抑うつ症状(EPDS)と不安(STAI)に加え、コルチゾールとオキシトシンを指標とし、①妊娠中期の不安・抑うつ症状と分娩期の異常との関連、②妊娠中期の不安・抑うつ症状と産後3か月までの不安・うつ症状との関連、③分娩期の異常と産後3か月までの不安・うつ症状との関連の3つ明らかにすることを目的としている。 2018年4月から、調査施設において研究参加者の募集を開始した。対象者は20~40歳の初産婦である。妊娠20週までに対象者の募集を行い、同意の得られた参加者には妊娠中期から産後3か月までの期間において調査を行った。コルチゾールとオキシトシン測定のための採血と唾液の採取は、妊娠中期にそれぞれ1回ずつおこなった。EPDSやSTAI等を含めた質問紙調査は、妊娠中期・妊娠後期・産後直後・産後1か月・産後3か月の5時点で実施し、産後直後と産後3か月の時点では研究者が妊娠・分娩・産後の母子の情報を診療録から収集した。 2019年9月に、参加者135名の調査が終了した。対象者135人のうち、他院への搬送などの理由により20名が脱落した。105名を対象に、研究課題①の分析の一部を行い、2020年3月に結果を学会で発表した。結果として、子どもの在胎週数には、母親の妊娠後期の状態不安が関連していた。妊娠中期の状態不安、妊娠中期・後期の特性不安と抑うつ症状、血漿コルチゾール値は関連していなかった。3月現在、唾液オキシトシンを含めたデータを再分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画より対象者の募集の時点で約3か月間の遅れが生じていたため、調査終了の時期も遅れている。2019年度中に研究課題①の結果の一部を学会発表しており、やや遅れながらも進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題ごとに研究成果をまとめて、学会発表・論文投稿を行う。研究課題①については、再分析の結果をまとめた論文を執筆中である。研究課題②③については、順次分析し、研究成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
調査終了の遅れに伴い、2019年度中に研究課題の分析を終了できなかったため未使用額が発生した。2020年度に、研究課題②③の分析を行う予定であるため、分析に必要な統計ソフトの購入に使用する。また、2019年度はCOVID-19に関連し、学会発表がオンライン発表となったため、旅費が不要となった。2020年度も継続して学会発表していく予定であり、そのための経費として使用する。
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