2020 Fiscal Year Research-status Report
発症の徴候に着眼した小児期・思春期神経性やせ症の新たなアセスメント方法の開発
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18K17570
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
金山 俊介 鳥取大学, 医学部, 助教 (60785020)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経性やせ症 / 発症 / 主養育者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は2019年度までに得られたデータの解析を継続し行った。また、研究協力者とのディスカッションによりスクリーニングに必要な項目についてアイテムプールを作成した。抽出された、主養育者が観察可能な神経性やせ症発症の特徴に関する項目としては、「摂食行動の変化」、「食品選択へのこだわり」、「特定の生活行動における固執」、「易怒性」、「意欲対象の変化」、「体型の変化」が抽出された。一般的に言われている、神経性やせ症の身体の変化である倦怠感や易疲労性、低体温、胃腸の不調、う蝕、唾液腺の腫脹、吐きだこ等は、今回の研究参加者が対象となった神経性やせ症の家族を受診につなげるための特徴と捉えていなかったり、またそれに気づいていないことがほとんどであった。これは、多くの養育者はこれらの徴候を発見するために必要な観察点や問診を身に着けていなかったり、これらの徴候があることを知らない場合も考えられるため、神経性やせ症の徴候や特徴を啓発することが課題であるという示唆を得た。 神経性やせ症の発症の特徴と捉えていたことに加えて、多くの研究参加者である、神経性やせ症を持つ養育者からは、長くともに生活していたことで感じられる違和感を感じていた。しかし、多くの研究参加者はその違和感を外在化することなく処理し、時間が経過していったことも明らかとなった。この違和感については、本研究の目的と若干異なり、別の解析が必要になると考えるが、神経性やせ症を早期に発見するための新たな知見となることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
社会情勢の変化により、アイテムプール作成のための対面での打ち合わせが困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
対面からオンラインに切り替え少しずつ進めアイテムプール作成につなげることができたため、2021年度はスクリーニング表の作成と成果の公表を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初計画していたスクリーニング表のモデル構築のために必要なSPSSAMOSソフトの購入の時期をずらしたことや、計上していた結果公表に関わる学会参加費や旅費の支出が延期したたため。
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