2018 Fiscal Year Research-status Report
妊産婦と医療者の好循環をもたらす“女性を中心としたケア”の国際比較
Project/Area Number |
18K17578
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
飯田 真理子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90438854)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 女性を中心としたケア / 軽蔑と虐待 / 妊産婦 / 助産師 / インドネシア / タンザニア / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、妊産婦の多様性を受容し医療者との好循環をもたらす“女性を中心としたケア(Women-Centered Care: WCC)尺度”を開発し、インドネシアと日本におけるWCCの実態の国際比較をすることである。 WCCと対極にある概念が“軽蔑と虐待”である。女性に対する医療者による分娩時の“軽蔑と虐待”は、女性の自由と権利を奪っていると世界的に問題になっている。この分娩時の軽蔑と虐待は女性のネガティブな分娩体験を引き起こし、次回は施設分娩を選びたがらないと報告されている。そのためWCCおよび“軽蔑と虐待”の視点で医療者によるケアを評価することは母子保健向上のためには重要な視点であると考える。 初年度の平成30年度は、本研究のフィールドであるインドネシアにおいて行った助産師に対するインタビューの内容を分析した。現在投稿準備中である。 また、分娩時の“軽蔑と虐待”が問題になっている国のひとつであるタンザニアにおいて「女性を尊重するケア」セミナーを現地の助産師および看護学生に対して実施した。タンザニアにおいてはWCCについての継続的な教育は実施されておらず、その概念さえも浸透していない現状がある。そこでWCCという概念を前提にすることで、現地で問題となっている“軽蔑と虐待”の改善にもつながると考え、この両方の概念について振り返る機会とした。セミナーの様子については現在公表準備中である。さらに、タンザニアにおいて助産師のWCCおよび“軽蔑と虐待”の認識に関する調査も実施し、これも現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンザニアでのセミナーや調査は予定外だったが、本研究のテーマは「“女性を中心としたケア”の国際比較」である。“女性を中心としたケア”と“軽蔑と虐待”は対極にありつつも関連する概念であるため、“軽蔑と虐待”の視点を持つことで“女性を中心としたケア”をさらに深められると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の平成30年度に実施した調査等の分析を進め、公表を目指す。
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Causes of Carryover |
謝金が予定していた額よりも少なかったため、次年度使用額が生じた。 来年度は分析や投稿した際の雑誌掲載料が発生すると考えられるため、これに充てる予定である。
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