2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a shared decision-making approach for childhood immunization: focused on communication between father and mother
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18K17583
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Research Institution | University of Human Arts and Sciences |
Principal Investigator |
大塚 寛子 人間総合科学大学, 保健医療学部, 准教授(移行) (50381322)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 意思決定 / 意思疎通 / Decision Aid / Shared Decision Making / 保護者 / 親 / 夫婦 / 予防接種 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもが予防接種を受けるかどうかは親の意思決定に委ねられており、親が任意接種についての情報を探す、医療機関に問い合わせるという行動を自ら起こさないと接種できないという特徴がある。 日本は、先進国の中で未接種・接種のタイミングが遅れることにより、予防できる疾患に感染した子どもの後遺症・死亡例が多く、改善が喫緊の課題である。その背景には親への情報提供・意思決定への支援体制の不備がある。予防接種制度が複雑化する中、親の意思決定を支援する効果的なシステムの構築が急がれる。 本研究の目的は、子どもの予防接種に関する親の意思決定支援策を構築することである。 初年度は、国内外の文献レビューを行い、意思決定支援ツール(Decision Aid)の適応可能性を検討した。意思決定支援ツールには一人用と二人用の2種類があり、保護者一人で意思決定する場合にも配慮し、2種類を作成する。日本は、定期接種と自己負担のある任意接種が併存するという諸外国にはない制度がある。このような日本特有の制度および意思決定に影響を及ぼす文化的・心理社会的な背景を考慮した更なる検討が必要である。 その他、Ottawa Decision Support Tutorialを受講し、昨年度に続きシェアード・デシジョン・メイキング(Shared Decision Making)を実践する医療者、実践者を教育する研究者向けのワークショップに参加した。臨床での場面を想定したロールプレイを行い、意思決定支援ツールの臨床場面での活用について、工夫・改善を要する点が明らかになったとともに、最新の知見を得たため今後の研究に活かしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育児との両立に加え、初年度は異動に伴う体制づくりに時間を要したため。国内外の文献検討はどうにか行い、シェアード・デシジョン・メイキング(Shared Decision Making)ワークショップにも参加し、今後の研究推進方策に活かす知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
文献レビューの他に専門家等との意見交換を行い、国内外の動向の把握に努める。日本の特性を考慮した意思決定支援ツール(Decision Aid)の検討を行った後、意思決定支援ツール(Decision Aid)のパイロット版の試案を作成し、ブラッシュ・アップしてゆく。
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Causes of Carryover |
年度を跨いでオープンアクセスジャーナルへの論文投稿中(査読中)であり、アクセプトされた後に今年度支出予定であった額を充てる。また、購入予定であった機器がメーカの部品調達の目途が立たず、年度内の購入ができなかったため、次年度に支出する。
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