2018 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校の医療的ケア従事者の協働を評価するシステムづくり
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18K17588
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
金山 三惠子 四国大学, 看護学部, 准教授 (60757912)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多職種協働 / バーンアウト / 協働達成感尺度 / 特別支援学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 協働尺度の概念の検証 日本の特別支援学校の医療的ケア従事者の協働達成感を測定する目的で開発した「協働尺度」は探索的因子分析による尺度開発であったため,2018年度は確認的因子分析を行い協働という理論的概念を測定しているかの検証に取り組んだ。具体的には,「協働尺度」のCronbachのα係数を算出し内的整合性を確認した。また,「協働尺度」の探索的因子分析を行い,固有値の大きさ、初期解における固有値の減衰状況及び解釈の可能性を検討し,3因子構造が確認できた。現在は確認的因子分析を行っている。協働の成否が,医療的ケア従事者の性別,経験年数,職種,勤務形態,雇用形態などによって違いがみられるか/みられないかについて,協働達成感尺度得点を応答変数とし,先にあげた項目を説明変数とする重回帰分析を行った。その結果,職種の違いや雇用形態の違いが協働達成感に他の変数に比べて優位に影響を及ぼす変数であることが分かった。 2 協働尺度の評価指標の作成 「協働尺度」は自己記入式で回答する3つの下位尺度得点を合計し,その得点が高いほど協働達成感が高いと評価している。「協働尺度」得点が何点以上であれば協働がうまくいっている(または何点以下であれば,協働がうまくいっていない)と評価することが妥当であるかの指標を示すため,研究協力校や有識者等と意見交換を行い検討を進めた。その結果,「協働尺度」の下位尺度項目である職場の組織やシステムへの充足感得点に,地域差,例えば人口密集地域と過疎地域では充足の捉え方に差が見られる可能性があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度は中部大学から四国大学への異動に伴い,①学務のエフォートが増加した。②データ収集のための移動距離(移動時間)が増大した。大きくこの2つの理由で研究の進捗が遅れた。遅れている内容は,データ収集が計画通りに進まなかったこと。論文が完成していないこと。学会発表ができなかったことである。
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Strategy for Future Research Activity |
協働評価シートの開発(協働の評価指標を作成)にむけて以下の2点の研究を進める。 1 協働尺度の概念の検証 確認的因子分析によって,この尺度が協働という理論的概念を測定しているかについて分析を終結させ研究結果を明らかにする。また,協働の成否に影響を及ぼす要因に関する論文を完成させ,学会発表や学術誌への投稿を行う。 2 協働の定量的評価に関する検証(協働尺度の評価指標の作成) 2018年度の研究で,「協働尺度」の下位尺度項目である職場の組織やシステムへの充足感得点に,地域差,例えば人口密集地域と過疎地域では充足の捉え方に個人差が見られる可能性があることが示唆された。そこで,2019年度は,この“差”が生じるメカニズムを明らかにするために,さらなるデータの収集と有識者等との検証を行う。また,「協働尺度」得点が何点以上であれば協働がうまくいっている(または何点以下であれば,協働がうまくいっていない)と評価することが妥当であるかの評価指標(評価基準)の作成を目指し,研究協力校でのデータ収集を継続する。収集できたデータの解析や有識者等との意見交換も進める。
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Causes of Carryover |
データ収集が予定通りに遂行できなかったことや学会発表を行わなかったことから,旅費やデータ解析にかかる経費が計画通りに執行できなかった。次年度に繰り越した経費は,国内外での学会発表やデータ収集のための出張旅費として使用する。また,海外学術誌への論文投稿を予定しており,そのための翻訳費用にも充てたいと考えている。
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Research Products
(1 results)