2020 Fiscal Year Research-status Report
Providing educational MANGA tool: Impact on quantity and quality of family health history collection
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18K17597
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
平岡 弓枝 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 遺伝子診療部門 遺伝カウンセラー (90796731)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遺伝カウンセリング / 家族歴 / 遺伝性腫瘍 / 遺伝学的検査 / がんゲノム医療 / HBOC |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究で開発を計画している冊子ツールは,遺伝性腫瘍やがんゲノム医療を受ける患者と血縁者の理解を深める補助的な役割となること,そして自律的な意思決定をサポートするツールとなることを目指している. 2019年には2種類のがんゲノムプロファイリング検査が保険適用となり,ゲノム情報を用いて最適な治療を検討する医療が開始している.さらに,生殖細胞系列のBRCA1/2遺伝子の病的バリアントを調べ,乳癌の治療方針を決めるコンパニオン診断が2018年に承認され,卵巣癌も2019年に追加承認となった.そして2020年には遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診断目的としてBRCA1/2遺伝子検査,HBOCと診断された後のリスク低減手術やサーベイランスが保険適用となり,BRCA1/2の遺伝子検査を受ける人が増えてきている状況である。そのため,主治医の元でBRCA1/2遺伝子検査を受けることも多々あり,適切な情報提供と遺伝カウンセリングの実施が求められている。 このように,保険診療内でHBOC診断が可能になった背景はインパクトがあり,BRCA1/2の遺伝子検査を受ける際の情報提供の補助となるコンテンツを内容に加えることが適切だと再検討した。現状としては,ツール開発のコンテンツを見直して,ゲラ作成が進んでいる。また作成途中であった研究計画書を見直し,今後申請を行っていく。
2020年度は第44回日本遺伝カウンセリング学会学術集会にてリキッドバイオプシーで認められるBRCA1/2の病的バリアントに関する発表を行った。また,海外の遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリング体制を視察した報告を日本遺伝カウンセリング学会誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の遺伝学的検査が一部に保険適用となり,それに伴い診断後のリスク低減手術やサーベイランスも保険診療として行われるようになってきた。遺伝性腫瘍の遺伝学的検査をとりまく環境が大きく変化し,ツールのコンテンツを変更したほうが時代に即していると判断した。そのため,研究協力者の作画担当者と再検討を行い,新たな作画プランで進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ツール作成段階であるが2021年度前半には冊子ツールは完成する見込みである。並行して院内倫理審査の申請準備を行っている。倫理審査に承認された時点で調査を開始し,2021年度中にはアンケート調査を回収する。 当初は,家族歴に関する情報提供をメインコンテンツとして開発計画を行っていたが,ここ3年で,遺伝性腫瘍の遺伝学的検査を取り巻く状況が大きく異なってきたため,つまり,家族歴が濃厚ではない人も保険診療内で遺伝学的検査を受けられる状況になってきたため,開発する冊子ツールをより多くの人に提供できるよう,コンテンツの再検討を行ってきた。
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Causes of Carryover |
本年度支払う予定であったツール開発に伴う作成費用を次年度に支払うこととなった。また,COVID-19の影響を受け,旅費使用は0であった。次年度も旅費使用は厳しいことが予想される。新たに予算計画を立て直し,旅費目的に共通し,研究に関わる事項に充てることとする。
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[Presentation] 進行消化器がんを対象としたGOZILA studyにおけるcirculating tumor DNA(ctDNA)解析による二次的所見(SF)に関する調査2020
Author(s)
平岡弓枝, 中村能章, 田辺記子, 平田真, 川本泰之, 池田公史, 坂東英明, 江崎泰斗, 上野誠, 洞澤智至, 三木いずみ, 谷口浩也, 森実千種, 吉野孝之, 桑田健
Organizer
第44回日本遺伝カウンセリング学会学術集会