2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of needs of newly designated "nanbyo",specific diseases patients in the community, living support and health guidance
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18K17613
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Research Institution | Asahikawa University |
Principal Investigator |
羽原 美奈子 旭川大学, 保健福祉学部, 教授 (30279434)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 指定難病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は難病法により新たに指定された難病患者について、地域在宅で暮らす生活状況及びニーズ・課題などを探り、難病法施行後の指定難病患者のQOLについて明らかにすることである。また、調査により福祉制度及び地域包括ケアにおける難病保健活動、最終的には保健指導のあり方にも言及できる基盤データの蓄積を目指している。 平成30年度は手始めに、地域の実態と対象者把握のためのデータ収集を行った。指定難病に関する状況調査として北海道内で平成24年~29年度に難病登録申請をされている件数の収集を行った。道内の難病患者登録数は保健年報等で公表されているところであるが、北海道上川保健所・旭川市保健所・空知総合振興局保健環境部滝川地域保健所の患者登録件数の詳細の収集を行った。結果的に全道・各2次保健医療福祉圏域別・疾患別特定医療費受給者証を取得している人の件数、疾病別数、年齢区分、性別、年度区分を年度推移で把握できた。 新難病法施行は平成27(2015)年度であり、その平成27年をまたがりどのように登録者数の推移があるのか現在集計・分析の最中である。また各保健所における難病対策、難病保健活動の概要と内容を保健師より聴取した。活動内容は保健所機関により特色や違いがあるが、空知を基盤に活動している空知総合振興局では新規の指定難病患者家庭訪問事業および健康相談なども2018年度より開始しており活発な保健活動展開の印象をもった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象となる指定難病患者の把握方法に戸惑い研究調査が難航した。指定難病患者としての対象者は多数考えられるが、新規の指定難病患者となるとどこにどのように対象者が分布しているのか、どのように調査協力を得るかを十分に計画されていなかった。今回難病患者登録から情報を収集したが、新規に患者登録している数はそれほど多い状況にはない。また新制度に移行しても対象者が指定難病の申請を行うかどうかも不明である。対象を新規指定難病患者に限定するとそれだけ把握自体に困難を極め、また研究介入できる事例数も限られてくることが予測される。
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Strategy for Future Research Activity |
31(令和1)年度は再度研究方法の準備・検討と対象者の選定を行い調査を実施する。 個別面談による聞き取り調査。質的研究の予定である。 ①難病患者の生活上の課題 ②疾患に対する受けとめ ③対処の実際・ニーズ 等の内容を聴取する。 なお新規の指定難病患者の該当者20名が選出できなかった場合、指定難病のうち旧特定疾患患者該当者を、医療費助成対象の是非は問わず選出したい。またその際は、難病の中でも重度といわれる神経難病、または研究者が過去に進めていた骨系難病である大腿骨頭壊死症患者にターゲットをしぼり対象に介入したいと考える。
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Causes of Carryover |
前年度は、既存データの収集に終始し、新規難病患者の動向や個別の細かい対象への介入など実践できずに終了した。また、専門職者からの知識の導入を得ること、調査費としての旅費の発生、研究成果発表としての学会報告もできなかった。今後研究が遅れることがないように情報収集方法・分析方法の検討および対象者の選定、協力機関依頼について綿密に計画し実施する。さらに前年に量的に集めたデータ分析と結果発表を何らかの形(研究会・学会報告など)で報告したい。さらに本年度において研究計画のもとに、できるだけ個々人の対象とかかわれるように研究計画を立案、実施していく。
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