2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of needs of newly designated "nanbyo",specific diseases patients in the community, living support and health guidance
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18K17613
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Research Institution | Asahikawa University |
Principal Investigator |
羽原 美奈子 旭川大学, 保健福祉学部, 教授 (30279434)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 指定難病 / 自己免疫疾患 / 保健指導 / 感染予防 / 医療確保 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は新型コロナウイルス感染症予防のため、面接聞き取り調査からアンケート調査へ切り替え、2022年1月~3月プレテストを実施した。対象;新規指定難病医療費助成申請者(男女14名ずつ)計28名。平均年齢59.9±15.9歳。病名は、潰瘍性大腸炎3名、クローン病・サルコイドーシス・シェーグレン症候群・パーキンソン氏病・ベーチェット病各2名、間質性肺炎・強皮症・ANCA関連血管炎・多系統萎縮症・多発性硬化症・特発性拡張型心筋症・特発性血小板減少症・多発性のう胞腎・脊柱管狭窄症・自己免疫性肝炎・皮膚筋炎・肥大型心筋症・SLE各1名。調査目的;新型コロナ感染症が指定難病患者の療養生活にもたらす影響を明らかにする 結果;1.医療の確保状態 受診回数は2~3か月に1回が42.9%、受診頻度は75%がコロナ禍において以前と変わらず、受診頻度が逆に増えた25%、受診回数が減った人なし、1名が医療機関の都合で受診予定を延期、変更、断られたという回答。治療内容は検査と服薬が主でステロイド剤・免疫抑制剤使用者が半数を超えていた。2.生活状態 回答者の約半数が就労者であったが、コロナ感染症流行後の仕事の変化は7割近く変化なしであった。保健・医療・福祉に希望していることでは、1位指定難病医療費助成申請手続きを簡便にしてほしい、2位指定難病に関する情報流通を迅速に、同じくコロナワクチン接種を速やかに配慮してほしいであった。医療保健福祉サービスの満足度は、満足が42.9%で半数近くを占めており不満足の者は14%の状況であった。3.QOL上の課題 これまで充実した人生であったと半数の人が答えているが、穏やかな気持ちで過ごせている人は、全体の25%であり、不安が増している内容は健康に関する不安が最も多く、次いで将来に対する全般的不安、人間関係、社会との交流、地球環境・地球規模の課題という結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度末からの新型コロナ感染症の感染拡大防止のため、難病患者の生活の実態が最も把握できる個別聞き取り調査は断念した。2020年度、本調査研究において、まさにパンデミック対策を考え、安全を考慮し文献やネット上の資料収集などで終始した。また、個人情報保護の観点から対象となる指定難病患者を特定することは難しく、郵送法も中止せざるを得なかった。そこで今回、市保健所の協力を得て留め置き式アンケート調査の実施にこぎつけた。ところが、北海道の緊急事態宣言、蔓延防止措置などが複数回発出される事態となり、その結果市保健所に医療費受給者証の申請手続きに訪れる人々の足が遠のき、窓口で配布するアンケート数の配布回収が難しかった。さらに難病団体の行事や活動も三密防止のため中止となり、ここでも配布回収ができなかった。結局、量的研究の解析に耐えうる十分な標本数が得られていなく、今後対象の選択とアンケート配布に関する方法を考えていく必要性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も昨年に引き続きコロナ禍における難病患者の生活上の課題として①疾患と生活状況 ②医療の確保状態 ③QOL上の課題 等 の内容を調査し分析する。対象は新規指定難病に限らず、これまでも医療依存度が高いといわれる疾患(神経難病)をも含め、現在のコロナ禍に広く、患者の生活状況を考察検討していきたい。また、保健医療福祉分野にまたがり、地域包括ケアとしての難病患者に役立つ研究となるよう研究活動に臨みたい。 具体的には量的研究の解析に耐えうる十分な標本数は得られるよう今後対象の選択とアンケート配布に関する方法を考えていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、研究はほとんど情報収集に終始し調査出張など大きく制限され当該助成金が生じた。研究使用できなかった旅費の多くは、翌年度分最終年度の 請求助成金とともに、「コロナ禍における難病患者のQOL研究」調査費用として活用したい。面接聞き取り調査ではなく、アンケート等難病患者のニーズを聞き取る調査として郵送・通信費、その他に活用する。
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