2022 Fiscal Year Research-status Report
日本人成人集団の食塩摂取量の推移評価:生体指標を用いた全国研究の5年後追跡調査
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18K17620
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
上地 賢 東邦大学, 健康科学部, 講師 (90802520)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 24時間蓄尿 / 食事記録法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本人成人男女の食塩摂取量を24時間蓄尿で評価し、同一集団に対して2013年に実施された研究データとの比較を通して、食塩摂取に関する栄養疫学的検討と減塩対策に向けた示唆を得ることを目的とした研究である。 2022年度においても、海外学術雑誌への投稿へ向けて引き続き解析を中心に研究を実施した。対象者は過去の研究においても24時間蓄尿を経験している集団であり、食事記録法を経験している者も混在している。そこで、対象者が経験した24時間蓄尿の負担感の記述と、食事調査の方法間の負担感の比較を試みた。24時間蓄尿の負担感として「外出を控える」「使用物品の置き場所に困る」がおよそ半数程度の対象者から報告され、最も多い訴えとなった。また男性は「荷物の多さ」、女性は「時間がかかる」ことを負担感として多く挙げる傾向にあった。 負担感に見合う報酬額を尋ねたところ、およそ7割が5000円未満の額を回答した。 24時間蓄尿、半秤量式食事記録法、質問紙法の間で負担感を比較するために、最も負担の強い食事アセスメント法を尋ねた。24時間蓄尿および質問紙法の経験のみを有する者の間では24時間蓄尿が最も負担であると回答される一方で、それらに加えて秤量式食事記録法の経験を有する者の間では半秤量式食事記録法が最も負担であると報告される傾向にあった。 24時間蓄尿は対象者から見ても負担の大きい調査法であるものの、負担に感じる部分は多くの対象者間で共通している者であり、かつ他の調査法よりも負担感が低いことが示唆された。栄養疫学調査にて24時間蓄尿の実施を検討するうえで重要な知見であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施当初に計画していた解析について予定通り取り掛かることができている。一部は学会報告ができているが、今後論文化の作業が必要であるためおおむね順調に進展していると判断された。
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Strategy for Future Research Activity |
学会報告されたものを論文化する作業が必要となるため、現在手元にある解析結果をもとに論文化し、国際誌への受理を目指す。
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Causes of Carryover |
学会がオンライン開催になったために旅費がかかっていないことに加え、論文作成作業が済んでおらず、今後の英文校閲、投稿費用にかかる経費が未使用分とし て残っているためである。さらなる解析の実施による学会報告、論文作成、投稿作業により経費を使用する予定である。
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