2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of care model for pain relief for elderly cancer patients with dementia
Project/Area Number |
18K17630
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
廣岡 佳代 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (10407132)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん / 認知症 / 高齢者 / 痛み |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症を持つ高齢がん患者は、がん疼痛の治療が十分でないこと、鎮痛薬が使用されにくい傾向があり、痛みの緩和が不十分であることが指摘されている。認知症を持つ高齢がん患者の生活の質を高めるためには、適切な疼痛ケアにつながる看護師の知識・態度の向上が不可欠である。本研究の目的は、認知症を持つ高齢がん患者に質の高い緩和ケアを提供するために、疼痛マネジメントに関するケアモデル(暫定版)を構築すること、高齢がん患者における終末期ケアの質評価を痛みの緩和や緩和ケアの側面から検討することである。 認知症を持つ高齢がん患者に提供されている卓越した疼痛緩和ケアの実践内容、工夫点、課題等を記述することを目的にがん看護、緩和ケア分野を専門とする医療者(医師、専門看護師、認定看護師) 20名を対象にインタビュー調査を実施し、その内容をもとに質的帰納的に分析を行った。【個別の痛み表現を捉える】【痛みの表出を助ける】【副作用の出現に注意を払う】【日常生活動作を捉える】【生活状況を把握する】【生活環境を整える】【多職種共通の評価指標を用いる】【多職種でケアを統一する】などのアセスメント・ケアの視点が示された。文献レビュー及び、インタビュー調査の結果をもとに、研究協力者と協議し、と疼痛緩和ケアモデル(暫定版)を構築した。今後はこのモデルを洗練させていく予定である。 急性期病院レセプトデータを用いた解析から、認知症を有するがん患者は認知症のないがん患者と比較して、医療用麻薬(61.8% vs. 70.8%; IPR: 0.87, 95% CI: 0.83-0.91))や緩和ケアコンサルテーション(2.7% vs. 3.8%; IPR: 0.71, 95% CI: 0.58-0.88)が提供されていないことが示された。認知症を持つ高齢がん患者の生活の質を高めるために、適切な疼痛ケア・緩和ケアにつながる看護師の知識・態度の向上の必要性、疼痛緩和ケアモデルが有益である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)